国営昭和記念公園 子供の森 | |
「子供の森」は、東京都立川市と昭島市で建設省が整備を進める国営昭和記念公園にある遊び場だ。 「子供の森」には遊園地にあるような施設、例えば子供が一方的に受け身になったり、体を動かさない施設は置いていない。ここでは、子供たちが森に来た時、彼ら自身で遊び方を自由に発想できる空間にすることを目指した。出来上がった空間は多様、そして子供たちに大好評だ。 「虹のハンモック」という空間は、一軒の家が十分入る広さの場所にハンモックが重なり合いながら広がって出来たもの。子供たちは、ハンモックの上を元気良く跳ねよじのぼる。 「霧の森」という空間では、起伏に富んだ地形のなかにあるくぼみなどから、人工的に作られた霧が噴き出す。子供も大人も霧のかたまりのなかに飛び込んでいく。 「雲の海」という空間は、空気圧で膜をふくらませ、でこぼこした小山としたところ。子供たちは膜の上を飛び跳ね、走りまわる。 ほかにもピラミッドや直径80m、深さ10mの窪地、森、谷などいろいろな空間がある。遊び場を作るに当たって、私たちは子供の置かれている環境を調査した。大人が効率を追求したため、空き地や路地が減りいろいろな遊びが出来ない状況になっていた。また、学歴偏重で遊び上手な子が目立たない。テレビゲームなどの一人遊びが増え、体を動かさなくなっている。子供から赤信号が出ていた。 この赤を青に変えるには、まず思いきり遊べる「場」が必要だと考えた。 |
名称 | 国営昭和記念公園“子供の森” |
所在地 | 東京都立川市、昭島市 |
発注者 | 建設省 |
設計者 | 高野ランドスケーププランニング |
協力 | 【建築】象設計集団 【霧の森】中谷芙二子、I.L.C.D. 【虹のハンモック】堀内紀子、InterPlay Design and Manufakuturing.Co,LTD、ランドスケープワークショップ 【フワフワドーム】高橋士郎 【ドラゴンの砂山】州崎昭洋、根岸俊男、駿河敏、佐藤頼生 【ワクワク広場】爽環境計 他 |
施工者 | 柳島寿々喜造園、林建設、藤造園建設、石勝エクステリア、西松建設、西武造園、富士緑化、日比谷アメニス、羽沢建設、クボタ、昭和造園他 |
施工期間 | 1987年度〜1992年度 |
事業費 | 約22億円 |