2)具象絵画の制作プロセス

 

具象絵画の制作プロセスは、形態の構造を認識する過程と、形態を光の陰影で可視化する二つの過程に別けることができる。

石膏像などの「デッサン技法」においても、先ず最初に線によって形を正確にとり、次に面の明暗を付けていく。tone

ラスタースキャニング型の陰極管とフレームバッファーが登場するとCGのアルゴリズムは大きく発展した。

CGの制作過程を記録したユタ大学の映像「ハーフトーンアニメーション」1972年は、最初に石膏模型の表面各点のXYZ座標を測定入力して各点をつなげるワイヤーフレームを生成し、次に生成した各面の明度を計算し、最後に円滑化する。この映像が発表されると大きな反響をよんだ。

説明図 動画 [streaming]  1.8MB 
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しかしながら、このシェイディング法は見る者と面の角度だけで明度を決定するために、光源の概念がなく、異様な陰影である。

イタリアルネッサンス絵画の扉を開いたジオット「スクロヴェ−ニ礼拝堂」1304年やボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」1482年の陰影法は観念的で初期のCGのシェイディング法に似ている。
ローマ時代のフレスコ画 川原慶賀