3)形態の生成:モデリング ワイヤーフレーム |
形態の構造は単純な線によって抽象化し、認識される。15Cルネッサンス期に透視投影の研究のために描かれたとおもわれる「聖餐盃素描」は、CGと同様のワイヤーフレームで描かれている。 32分割の回転体に組み合わされた3つのドーナツ状の環の部分が、隠線消去されていないので、作者の関心が形態の表面ではなく、形態の構造にあることが明白である。 |
パースペクティブ |
ゴッホが描いた「夜のカフェ」1888年のビリヤード台の影の形は、一見すると歪んだように見えるが、透視図法に則り忠実に作図されていて、ゴッホの潔癖な性格を表している。 極端と見える歪みの原因は、画面の常識的なトリミングを越えて額縁の中におさめたためである。 強烈な一条の電灯が、影を床に投影しているが、画面に柔らかく描かれている3灯の石油ランプが投影する影は描かれていない。 |
CGで形態を生成する方法には、ワイヤーフレーム法以外にもメタボ−ル法やフラクタル法などが発表されている。 |
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メタボ−ル法 |
通常、形態の存在は0か1かの2値で定義されるが、「メタボール法」の場合は、煙の濃度分布のように多値で定義される。ある点がその周囲に放射するエネルギーの分布において、等しいエネルギー点をつなげていけば滑らかな面となり、自然で豊かな量感を表現することができる。天気図 「自然を円筒、球、円錐として捉えなさい」形による画面の構築を追求したセザンヌは「聖アントワーヌの誘惑」1867年で、人体を球で構成している。 |
フラクタル法 | 「フラクタル法」CGの場合は簡単なプログラムを、入れ子式に繰り返して、大変に複雑に見える形態を生成する。[フラクタル]次元は、人間が常識的に認識してきた従来の2次元や3次元の位相次元とは別に、1.26次元の図形などコンピュータによる新しい数学的な空間を表示する。 . |
シミュレーション |
ダビンチは水流がつくる複雑な形態のスケッチを多数のこしている。とめどなく変化する水の流れる様を静止画面に描写するためには、流体の原理を明らかにする必要がある。 現代のスーパーコンピュータの計算能力で始めて流体のシミュレーションが可能となった。 北斎 ビカソ アビニヨンの女の多次元視点 エジプト絵画のxyz座標と産業革命の三面図 江戸の絵図 |