ゲルハルト・リヒター Gerhard Richter

写真が登場して以来、中世までの現実や事件の伝達手段としての絵画の役目は終わり、肖像画としても絵画は写真に精度が劣る。その様な中で、絵画の不可能性/可能性を求める試みを探っている。 また、新たに写真に付加された現実性・確実性にも、彼の絵画は動揺を与える。
概念や思想を排しているが、逆説的に、「現実」や「真実」だと認識され、信奉されている事柄を、絵画を用いて根底から揺さぶり、再考する様な、コンセプチュアルな雰囲気が全作品を通して見られる。