実験方法
準備するもの
材料,試薬
純度の高いアルミニウムの板,炭素電極 硫酸,リン酸,硫酸ニッケル,硫酸第一スズ,硫酸銅,ホウ酸,トリエタノールアミン
器具,装置
直流電源,スライド式レギュレーター(スライダック),500mlビーカー,回転式かくはん装置,電極を固定するスタンド2台,ラボジャッキ
実験
1.ニッケル,銅,金の着色
1-1.陽極酸化
・電解液:500mlのビーカーに純水を半分程度入れ,硫酸28mlをゆっくり加え,更に純水を加えて500mlとします.回転式のかくはん装置で液をかくはんします.
・電源:直流電源を準備し,テスターをつないで出力電圧を20Vに設定します.
・電極:純度の高いアルミニウムの板を2枚準備します.小さい方(1.5cmX7cm程度)を試料として陽極に,大きい方(10cmX20cm程度)をビーカーの内側に沿わせて陰極にします.
・約30分間電気分解し,陽極のアルミニウム板の表面に陽極酸化皮膜を成長させます. (この方法でアルミニウムの表面にできる酸化皮膜は,非常に細かい孔がたくさんあいています.)
・電源を切り,試料を取り出して純水で充分に洗浄します.
*アルミニウムは電気を良く通すのに対して,アルミニウムの陽極酸化皮膜は電気を通しません.そため,テスターを使って試料表面の抵抗を測ることにより,酸化皮膜ができたことを確認することができます.(測定するときは,薄い酸化皮膜を破らないようにテスターの先端をそっと置いてください.)
1-2.Niの着色
・電解液:500mlのビーカーに硫酸ニッケル12.5g,ホウ酸12.5g,硫酸第一スズ10gを入れ,蒸留水を加えて溶かし,500mlの電解液をつくります.
・電源:スライダックを準備し,テスターを使って出力を14Vに調整します.
・電極:陽極酸化したアルミニウム板と炭素電極を電極にします.
・スライダックの電源を入れ,アルミニウムの陽極酸化皮膜が灰色ー黒色に着色するのを確認して電源を切ります.(数十秒程度) ・電源を切ってあることを確認し,試料を取り出して洗浄します.
1-3.銅の着色
・電解液:500mlのビーカーに蒸留水を入れ,硫酸銅16g,硫酸3.5gを溶かし,更に蒸留水を加えて500mlの電解液をつくります.
・他の条件は2.Ni着色と同じです.銅の場合は茶色に着色します.
1-4.金の着色
・電解液:市販のAuめっき液を使い,電圧約4Vで着色します.
2.虹色着色
2-1.陽極酸化
・電解液:500mlのビーカーに純水を半分程度入れ,リン酸15g,硫酸0.5gを加え,更に純水を加えて500mlとします.回転式のかくはん装置で液をかくはんします.
・電源:直流電源を準備し,テスターをつないで出力電圧を20Vに設定します.
・電極:純度の高いアルミニウムの板を2枚準備します.小さい方(1.5cmX7cm程度)を試料として陽極に設置し,大きい方(ビーカーの内側に沿わせるサイズ,10cmX20cm程度)を陰極に設置します.
・30分間ー50分間電気分解し,陽極のアルミニウム板の表面に陽極酸化皮膜を成長させます.
・電源を切り,試料を取り出して純水で充分に洗浄します.
2-2.虹色着色
・電解液:500mlビーカーに硫酸ニッケル17g,ホウ酸22g,トリエタノールアミン8gを入れ,蒸留水を加えて溶かし,500mlにします.
・電源:スライド式レギュレーター(スライダック)を準備し,テスターを使って出力を14Vに調整します.
・電極:陽極酸化したアルミニウム板と炭素電極を電極にします.このとき,アルミニウム板側のスタンドにラボジャッキを組み合わせ,アルミニウム板を上下できるようにします.
・スライダックの電源を入れ,10秒ごとに試料の位置を1cm程度上げていきます.電極の下にいくほどめっき時間が長くなり,めっき時間に応じて様々な色が得られます.
・電源を切り,試料を取り出して純水で洗浄します.