ポリイミドはフレキシブル基板の材料にも使われている例の黄土色の材料です。基板の材料ですから耐熱性は十分なんですが、実際には粘着材の違いなどにより、+180℃くらいから+400℃くらいまでいろんな種類があるようです。決して安くないので、買う前に性能を確認したほうがいいでしょう。私のは350℃です。
ポリイミドはデュポンが開発したスーパー・エンジニアリング・プラスチックで、他の有機物や高分子系材料と比べて高い耐熱性(500℃まで)を誇る上、機械強度や耐化学薬品性の面でも特筆すべき性能を持っています
液晶ディスプレイを作る
準備するもの
ポリイミド配向膜付きガラス基板(2枚)、偏光板(2枚)、ネマチック液晶、スペーサー(16μm)、ラビング棒、両面テープ、セロハンテープ、角型電池(9V)、配線、薬さじ(2本)、エポキシ系速乾接着剤
実験方法 詳細は図1を見ながらおこないましょう。
1.青色、赤色シールのついたポリイミド配向膜付きガラス基板をそれぞれシールが下になるように横長、縦長に置きます。このとき、シールのついていない面を触って汚さないように特に注意してください。
2.ラビング棒でガラス表面をこすります。この際、手前に引くようにゆっくりと一方向にこするようにしてください。青色シールのついたものは短軸方向、赤色シールのついたものは長軸方向にこするよう注意してください。
3.青色シールのついたガラス板にミクロスパーテルでスペーサーを振りかけます。量は、わずかに見える程度で十分です。
4.ガラス基板の右端に液晶を薄く延ばして塗ります。この場合もほんの少しで十分です。液晶は高価なので塗りすぎに気をつけてください。
5.赤色シールのついたガラス板をかぶせます。このとき、なかに気泡が残らないようにするため、右端から徐々にガラス板を倒していくようにしてください。
6.液晶がうまくなかに入り込んでいることを確認してください。
7.セロハンテープで2枚のガラス基板を固定します。
8.両面テープを使って、偏光板を液晶セルに取り付けます。2枚目を取り付ける際、偏光板の向きによってセルが明るくなったり暗くなったりします。ここでは明るくなるようにして取り付けましょう。
観察事項
(1) 角型電池を使って,作成した液晶セルに電圧をかけてみましょう.電流を流している間だけ液晶セルが真っ暗になるはずです.このような電圧の
ON, OFF をうまく制御することによって液晶ディスプレイは画面の表示をおこなっています.
(2) 片方の偏光板を90度回転させて通常時に液晶セルが暗くなるように取り付けます.この状態で電圧を印加してみましょう.明るい表示になるはずです.偏光板の取り付け方によって,電圧をかけないときの明暗を決めることができます.