この度は、当社のウェッブ サイト「イベントツールと遊具の海外製造メーカー卸価格サイト」にお立ち寄りいただき誠にありがとうございす。心より感謝申し上げます。
このサイトの目的は、イベント関連業者の皆様が「イベントツールと遊具の海外製造メーカー卸価格サイト」をご利用し、今まで中間業者を介して購入していた海外の遊具やイベントツールを、自社で製造メーカーから直接仕入れが出来るための、コンテンツとノウハウを無料で提供することにあります。
では、なぜ私がこのウェッブ サイトを立ち上げたのか、皆様にその背景となった2つほどの話を紹介させていただけますでしょうか。
1986年12月から1992年2月まで、私はご縁があり東京の「バボット」と言う空気膜の造形物をデザイン、製作、レンタルする会社に営業担当としてお世話なっておりました。「動く風船」「ロボット風船」と言えば、イベント業界に長年身をおいていらっしゃる方でしたら一度はご覧になったことがあるか、良くご存知ではないでしょうか。
その時に初めてイベント業界の皆様とつながりができましたが、1992年4月に東京からサンフランシスコに引っ越した後も、ありがたいことに今日到るまで取引をさせていただいておりますお客様が何社もございます。
人が休む時に忙しいのがイベントの仕事であることは、今までもこれからも変ることはないでしょう。これからお話する事が、単にそれだけであるならば、問題は時間の配分だけです。しかし私は製品を貸し出す立場で全国の数多くのイベント会社と取引をしながら、ある時は現場を知るために足を運んだ納品先で、ある時は設営のために出向いたデパートの催事場で、ため息をつかざるを得ない事が何度もありました。その理由は3点です。
1.どうしてイベント会社は小さい会社ばかりなのだろうか、
2.どうしてこうも広告代理店や企画会社から言いたい放題にこき使われるのだろうか、
3.どうして仕事の割りに金銭的に報われないのだろうか、
と言うものでした。私が在職しておりましたバボットは、株式会社でしたがその当時社長以下私を入れて正社員はわずか6名、製作を担当する縫製のパートを入れても10人に満たない、数字からみれば弱小会社もいいところでした。しかし上記の2と3、とくに2番目とは全く無縁の会社でした。さらに土日祝日は休み。夏と冬は社員旅行。社員は連休に木金曜日を足したりして休みを良くエンジョイしていたものです。また社長が気が向けば目黒駅(当時会社があった最寄の駅)の近くの焼き鳥屋でミニ宴会。名物のハラミが5時過ぎでは売り切れになるので、暖簾をくぐるのはその前。
そればかりか、事務所と縫製場には裏のマンションに住んでいた当時4才位の女の子が良く遊びに来ていたり、駐車場で突然4mもあるサンタクロースを膨らましたりするのかと思えば、外国人(アナハイムのディズ二ー関係者。後述いたします。)やスーツに身を固めた一行の来訪者があったり、近所では何をしているのか良く分からない一風変った会社という評判でした。ちょっとはために見るとしまりのない会社のようでしたが、実は大変明快なことが2点ありました。それは、
1.全て自己責任の仕事、
2.ボーナスは売上しだい、
確か入社して最初のお盆休みだったでしょうか。久しぶりに郷里の会津に帰って落ち着く間もなく、社長から電話が一本ありました。結果は現場直行。理由は営業の責任、の一言。
当時、なぜ10人足らずの会社がそのようなことが可能だったのでしょうか。理由は3点。
1.バボットは社長が特許と商標をもっており、世界中どこをさがしても類似品がなかった。
2.社長が開発者で一流の工業デザイナーだった。(当時現職の大学教授でもあった。)
3.開発、デザイン、製作、レンタルと全て自社でしていた。
と言う点です。つまり「自ら計画し、自らマーケットをつくり、自らの販売計画で売るべきである」(ソニーの経営理念:創造の人生 井深大 中川靖造著講談社文庫より引用)と言う基本に到る条件を備えていたわけです。
この3点は大変分かりやすかった、と今でも記憶しております。
こんな事もありました。ちょっとおまけ話しですが。先述のディズニーランドからラスト ネームは忘れましたが、ボブと言うアート部門の最高担当責任者が、通訳と一緒に事務所を訪ねてきたことがあります。それも2年にわたり2度もです。
用件は、新しい大型アトラクションにバボットの技術を応用したいのでその承諾を得たい、と言うものでした。確か最初は噴火するところから恐竜が出てくるアイデア、2度目は大変有名なキャラクターで、10mもあるそれが一瞬にしてしぼんでしまう、という内容だった思います。これはオーランドで、というものでした。私も同席し通訳は私がいたしました。英語が上手と言うのではなく、既にサンフランシスコに住んでいた経験があり外国人に全く抵抗が無かった、と言うのが正解だったのではないでしょうか。「折り畳む」という英語の単語が出てこず、大変てこずってしまったことを良く憶えております。私の英語はその程度のもので、今考えても冷や汗ものです。
結論は2度も平行線で合意に達しませんでした。その経緯が面白い、日本の一小会社が天下のデズィーランドを向こうに回し一歩も引けを取らず、と言うことで確か夕刊に取り上げられもしました。理由は、社長がコピーライトを本体の一部に明記すること、と主張したのに対して、ボブがそれはデズィーとして認められない、の一点張りでした。両者の主張はもっともなのですが、営業担当者の私としては仕事にならず残念の一言、いや勿体ない、の一言でした。
しかしこれは教訓でした。商品をもつ、それも二番煎じでない商品を。これが全てとは言わないでも、会社の性格と方向を位置づけるには十分なものではないでしょうか。
「いや船木さん、在庫を持つのは古いですよ。第一、商品を買う資金、そして倉庫代とお金がかかるばかりですよ。それよりも、商品のあるところが沢山あるわけですから、会社を選んでそこから借り、そして貸す。お金はかかりませんよ。」とイベント関係者に言われたことがありました。本当にそうでしょうか。バブルがはじけて多くの会社が倒産しました。イベント関連会社も当然でした。物があればしんどい時に何とかしのげます。無ければ何もできません。徒手空拳とはこのことでないでしょうか。
これは二つ目の話です。今年の始め日本に出張した時にご本人から直接お聞きした話です。ご本人には失礼とは思いましたが、これは大変教訓に満ちたものですので、あえて皆様にご紹介させていただくことにしました。(会社名と取り扱い商品は伏せさせてください。)この話から何をどのようにお考えになるかは、これは経営者の皆様の判断次第です。
話は、開店時に仕入れた商品が不良在庫化し、身動きが取れなくなってしまった、と言う内容です。仕入先は一流の経営コンサルタント会社を介して。経営者はその業種が全く初めてで、起業にあたり一から十までそのコンサルタント会社に頼っていたようでした。信頼していた、と言った方が正解でしょうか。間違いなく高いコンサルティング料金を支払い、相手はプロ中のプロのコンサルタントだから大丈夫、と言うことで言われるままに仕入れをし、さらに開店後までも驚くような額のコンサルタント料を支払っていたとのことでした。
お会いした時は、いかに一連のことが誤りだったかを率直に話されていました。つまり全て他人に任せきっりだったことが。私とお会いした理由は、ある方を介してですが、新規の仕入れのある時は渡米してくるので、買付け先のリサーチ、買付け交渉、そして日本に送る前の現物確認と運送手続きをお願いしたい、と言うものでした。取り扱い商品がはじめての物であっても仕事そのものは私の日常業務内でしたので、その場で協力を承諾いたしました。
その経営者の方からは4月ごろに一度メールを頂きましたが、今のところその後の連絡はありません。大変頑張られる方ですので、難局を乗り越え一日でも早く、ロスにまいりますので、と朗報のメールがあるのを鶴首して待っている次第です。
販売またはレンタルする商品を経営者の皆様が、
製造メーカー
↓
運送
↓
自社の倉庫
↓
販売・レンタル
↓
お客様
と言う仕入れから手元を離れるまで、数字も含めて頭に描けることが大事ではなないでしょうか。私も注文のあった商品の流れが、このように頭に描けるときは大概何の問題もなく完了いたします。そうではない時、つまりどこか釈然としない、今一つ見えないという点がありますと、後からしまったと言うことになりやすいものです。
中間業者を介して購入することが全てダメ、と言うようなことは決してありませんが、たとえそうであっても経営者の皆様が最初から最後まで流れを把握する、と言うことは極めて大事なことだと思います。
この点で私が感心させられる人物がおります。2度お仕事をさせていただき、IAAPAでもよくお会いする大手の観光会社の社長の方です。会場でお目にかかると、スニーカーをはき早足で歩かれているので、ご挨拶のタイミングを逸することは2度や3度ではありませんでした。最終日には自ら交渉し商品をボンボン買っていかれます。これほど確かで無駄がなく、しかも最終日は割引をしてくれるところがほとんど。あのような大会社の長でも第一線で仕入れをされているのですから脱帽のいたりです。ちなみに英語はご自分で言われておりましたが、けして出来る、と言うものではなないようです。「相手の目を見ればウソをついているかどうか分かる」とおっしゃっておられましたので大事なことはやはり言葉以前の問題と言うところでしょうか。
この「イベントツールと遊具の海外製造メーカー卸価サイト」は、長年アメリカに住みビジネスをしてきた私の経験とノウハウで出来ております。利用上の規約をご理解いただき、どうぞ有効にご利用いただけばと思います。
これからも新しい情報を盛り込み、内容の充実に一層精魂を傾ける所存でおります。皆様の忌憚の無いご意見、ご批評をいただければ幸いです。
最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。
JEB代表者 船木幸則 メールはこちらまで
2007年11月4日
冬時間の初日、20℃ 快晴のサンフランシスコにて。
|