国際交流の記録

 

  おもに本学への来訪者記録を中心に記載します。本学からの活動は別項に記載してあります。
  本学では積極的に国際交流に取り組み、一歩ずつ着実に実績を積んできた。交流計画の当初はポール ランドの客員教授就任やロスアンゼルスのアート センタ スクールなど米国との国際交流が中心であったが、近年は、アジア諸国との美術交流が盛んとなってきた。
  欧米、中近東、アジア諸国から本学に学ぶ留学生も多く、海外で活躍する卒業生は年々増加し、本学の教員たちの海外での活躍もますます盛んになってきている。
  海外と交流を交わすに当たっては、単に国際交流の口を広げるのではなく、常に厳選した少数の大学と、密接かつビジョンにあふれた交流をめざし、それを実現してきた。質の高い交流を恒常的に行なうには、それなりの覚悟とそれなりの環境整備が必要である。

 

1997.02.07 ロンドンのセントラルセントマーチンズ芸術大学。教員1名、学生10名、グラフィックデザイン科の学生と交流

1997.04.14 University of Hertfordshire

1997.05.15 フィンランド大学事務長グループの文化交流視察団が来校

1997.05.27 タイ王国シルパコーン大学のテラ パルプラメ装飾美術学部長、ソン・シマトラン教務部長など5名が来校。両校の協力計画について会談。(同校とは1982年4月21日にプリンス トンヤイ トンヤイ学長が来校し、内藤頼博学長と交流に関する覚書を交換した。同大学との交流は1978.7.17より半年間、国際交流基金の長期芸術家派遣事業として、高橋士郎講師がタイ国に滞在したのに始まり、増田正、わたなべひろこ、田口敦子などが訪問、現在は本学からの留学生も就学している。イタリア人のフィラシが美術学校を創設し、官展から文展に発展し、現在は民間の美術団体が形成されているタイの近代美術史と、アメリカ人のフェノロサが美術学校を創設し、官展から文展に発展し、現在は民間の美術団体が形成されている日本の近代美術史は酷似している。現在、タイの美術界の重鎮であるミシエム イーピンソイ女史は、戦争中にパリから帰国しタイに赴任した多摩美術大学のムネ里見教授と交流があった)

1997.11.10 国際ミニプリント ビエンナーレCLUJ1998。本学が主催した東京国際ミニプリント トリエンナーレ1995に出品したルーマニアの作家が、母国でミニプリントビエンナーレを開催した。本学学生にも是非参加してほしいとの依頼があり、大勢の学生が出品することとなりました。51ヶ国から1,141点の応募作品が集まり、版画研究室の大矢雅章副手がグランプリを受賞しました。入賞作品はルーマニア、クレージュ市内のGallery of the Union of Fine Artists from Romaniaで展示された

1997.11.00 エジプトのヘルワン大学応用美術学部のマグディ アブデル アジス氏と本学間で、共同研究の最初の一歩が踏み出されました。 相互の認識と理解に取り組みながら、コミュニケーションやWWW環境での実験を計画した

1998.02.17 展覧会「exhibition ima」ベルリン バウハウス美術館。主催者:アンドレアス シュナイダ、Bauhaus Archive in Berlin 。ベルリン バウハウス美術館において、デザインを学ぶ日本の学生作品と、東京の「今」を紹介する展覧会 exhibition ima を開催した。 同展覧会のキーコンセプトである「今」をキーワードとして、現在進行形のプログラムとして提示していく展覧会である。過去から未来へという時の流れを切り取り、そこに現われる切断面に「今」という瞬間を捉えようとした試み。「今日」存在していたものは、「明日」には消えているかもしれない。「朝」発見したものが、「夕方」には消えているかもしれない。この「瞬間」にそこに在ったものが、次の「瞬間」には消えているかもしれません。そして、「今」存在していたものが、「今」消えようとしている。 「exhibition ima」は、1997年の4月からスタートし、実際の展示を行った1998年の2月まで、日々刻々と成長し続けるものであった。同展覧会では、その過程での様々な出来事を織り込みながら、各々の学生の卒業制作の作品を提示していった。また、いくつかの作品は、電気通信大学情報システム学研究科小池研究室の学生との共同プロジェクトにより実現した。 ベルリンのBauhaus Archivにおける展示会場という物理的な空間という枠を越え、紙やウェブ上をもプレゼンテーションの場として取り込んだ計画。 それまでの過程や展覧会場での出来事は、同時にホームページ「ima.tamabi.ac.jp」のデータとしてネットワーク上に拡張されていった

1998.03.03 無錫軽工業大学設計学院院長の張福昌教授が来校。
(同大学には1985.11.23-26に高橋士郎助教授、1986.4.28-5.3に内藤頼博学長および平野拓夫教授が訪問し、1986.11には奥二郎助教授が海外研修のために滞在し友好関係をむすんだ。その後、本学の学生10名が無錫市を訪問した。一方、1986.12.19には華静絹院長、朱正文造型美術系主任、工業設計系張福昌副教授が来校している)

1998.04.02 バース スパ大学

1998.04.15 コートジボアール国立文化研究所(INSAAC)

1998.06.19 ニューヨーク ユニバーサルデザイン国際会議に出席し、産学共同の研究成果を発表。ニューヨーク。生産デザイン学科プロダクト専攻学生5名と教員1名

1998.06.22 デンマーク美術大学のジョイ ブートロップによるワークショップ。テキスタイル研究室において3日間のワークショップを行い、天然繊維から化学繊維まで染織布の縮絨加工や溶解処理など風合をつくる試みをおこなった。同氏はデンマークの美術大学に隣接する化学会社の研究所に勤務するエンジニアであり、テクノロジーをテキスタイルデザインの創作に応用させるべく指導をはじめた。初頭の感性教育の現場でのテクノロジーの導入は新しい試みとしてアメリカで高く評価された

1998.06.22 米国オハイオ州 オベリン大学美術学部の教授が来校

1998.09.24 オーストラリアのモナッシュ大学の教授が来校

1998.10.05 イギリスのノッティンガム トレント大学芸術学部の学部長サイモン ルイス教授が教育提携の推進のために来校

1998.10.16 デンマークデザイン大学。デンマーク。同校インターラクティブ マルチメディア学科のジェスパー パドクヤ主任教授が本学のホームページの制作現場やメディアセンター構想を視察するために来校した

1998.10.18 「第1回東アジア3か国教授作品交流展」が韓国の釜山広域市文化会館に於いて1998年10月18日(日)から24日(土)まで、本学と姉妹校である韓国の東亜大学校芸術大学、中国の北京中央工芸学院の3校の協力によって開催されました。この交流展は2000年には中央工芸美術学院が、2002年には本学が開催する予定である。オープニングレセプションの模様は、翌日の「釜山日報」他紙の一面を大きく飾り注目を集めました。また関連行事として開催された学術セミナーでは本学美術学部長大淵武美教授が記念講演を行った。
(東亜大学と交流協定は、1996年に弘益大学と本学が覚書交換を交わすと時期を前後して交わされた。1996年11月には彫刻石井厚生教授が、東亜大学内の会館で講演会を行うなどの交流展や作品交換展を開催した。1996年12月1日-5日には創立50周年を迎えた記念行事として同校が開催した東亜芸術祭に、本学から藤谷宣人理事長とわたなべひろこ教授が出席した。同じく交流校である中国北京の中央工芸美術学院院長をはじめ、関係各国から多彩な出席があり、学生によるオペラ公演も開催され50周年記念行事の東亜芸術祭は盛大に執り行なわれ、わたなべ教授による「開かれた環境芸術・デザインとアートの融合」をテーマとした講演が行われた。韓国の二つの大学が本学の交流リストに加わったことは、韓国が日本の隣国であるという理由からも、また本学で韓国から有為な学生が多数学んでいるという理由からも、そして日本と韓国の間の歴史的経緯からも歓迎すべきものである

1998.11.19 ニュージーランド大使館広報部が来校

1998.11.28 Paul Marioni 氏(ガラス作家 アメリカ)特別講義「建築空間におけるグラス アート」工芸学科ガラス研究室

1999.04.07 ドイツのミュンヘン美術大学のサウアーブル教授がグラフィックデザイン学科を視察

1999.04.13 Katharina Belting 氏。Senior Program Officer, U.S.-Japan Program, JAPAN SOCIETY。日本のガラスリサーチの一環として来校。工芸学科ガラス研究室

1999.05.07 Reebok America とスポーツシューズの産学共同研究。生産デザイン学科プロダクト2学年

1999.05.08 Nam Seoul 大学(韓国)高 教授。学生10数名と共に来学。本学工芸学科ガラスプログラムと交流することを確約した。工芸学科ガラス研究室。

1999.05.14 エモリー大学。レベッカ ストーン ミラー博士が「プレインカ インカの染織について」特講を行った。同氏はハーバード大学で博士号を修得し、ミイシェル C カルヤヌ美術館のアートキュレーターであり、インカ染織の研究者である。素晴らしいインカの遺品は未だ解明されていない部分も多い。本年はチリのサンチアゴで第3回国際絞り会議が開催され、あらためてインカの染織にスポットがあてられタイムリーな特講となった。同氏も国際会議の中で研究発表を行った

1999.05.17 カリフォルニア大学アーバイン校 Gifford Myer 教授(陶芸家 現代陶芸史研究家)特別講義。Gifford Myer 氏は同時期に瀬戸市新世紀工芸館にて行われるイベントに参加する為来日。その機会にあわせて本学にて講義したいと申し出があり、当方も喜んで協力。工芸学科陶研究室。

1999.05.20 辻惟雄学長が、ニューヨークのジャパンソサイエティで行われたシンポジウムに参加の帰途、ロスアンゼルス郊外パサテナにあるアートセンターカレッジ オブ デザインを訪問、ダビット ブラウン学長らの案内で校内を視察、現代における最先端のデザイン教育のあり方について意見交換を行なった。(多摩美術大学と同校とは兼ねてから親しい提携関係にあり、今回の訪問はここしばらく途絶えていた交流を復活し、交換学生の制度を実現させるための予備折衝の意味を含むものである

1999.05.27 ノルウェー国立アカデミー(National College of Art and Design, Norway) Ole Lislerud 教授特別講義。ノルウェーの陶芸家で、同国陶磁協会会長である、Ole Lislerud 氏が本学を見学、講義。 Randi Gaustad 氏(Conservator-Curator/THE OSLO MUSEUM OF APPLIED ART)も同行。工芸学科陶研究室。

1999.07.02 Benetonファブリカからの訪学。生産デザイン学科プロダクト2年の課題に対するアドバイスを受けた

1999.10.08 中国中央美術工芸学院の王明旨院長及び幹部職員数人が本学の八王子校舎建設および多摩センタの新設美術館を視察するために来校した。1999.11.20同校は中国政府の機構簡素化改革により、清華大学に美術学院として合併されることになり、王明旨院長は清華大学の副学長も併任することになった。同校は中国における美術、工芸、デザインにおいての中核の学校であり、中国の教育機関の中においても最高位に位置する。
(同校との交流は、1987年春に内藤頼博学長および平野拓夫教授が訪問したことに始まる。王明旨先生は1989年秋から本学立体科の特別研究員として1年間留学された後も、本学に度々来学され、中国の大学の近代化の中でデザインをどのようにしたら良いかという研究をされた。又、本学の平野拓夫、高橋史郎、川上顕治郎などが招聘され、2〜3週間の実地講義をした。199110.31-11.4同校の創立40周年式典に藤谷理事長、奥野学部長、高橋教務部長、平野教授が出席し、その折に美術国際交流に関する協定が常沙那院長との間に結ばれた。1996.05.24-28にはコンピュータにおけるデザイン表現のコンクールが同大学で行われ、本学の学生出品が高成績をおさめた)

1999.10.22 フィンランド国立ヘルシンキ美術大学のユリヨ ソタマ学長が「フィンランドにおけるデザインとアート教育」をテーマに講演を行った。同氏はインダストリアルデザイナーであり、またニューヨーク、パリなど世界の主要都市に拠点を持つ文化、学術、研究の交流活動の機関である全フィンランドセンターの統括所長でもある。特に、情報、産業、環境の未来革新をすすめる産学共同研究や、事業に積極的な活動を提示された。機能と美を共有するヒューマンなフィンランドのデザインワークに魅せられ、学生からも活発な質問が出た。ソタマ氏も熱心に学内を見学され、本学の教育環境や学生作品に好感をもたれ、多摩美術大学との交流を望まれており、今後の両校の積極的なプログラムが期待される

1999.10.02 LEGOが来校し生産デザイン学科プロダクト学生と交流

1999.11.05 グリフォス大学、版画科教授ラッセル クレイグ氏が来校

1999.12.00 グリフィス大学との交換留学が決定した

1999.12.00 第2回「東アジア3個国教授作品交流展」北京美術館の開催準備が進められている。中国北京中央工芸美術学院が主催して2000年1月25日〜1月30日に中国美術館で開催される。日本多摩美術大学から30名330点、中国中央工芸美術学院から30名30点、韓国東亜大学から30名30点、合計90名90点の作品が展示される。作品の大きさは平面125x90cm以内、立体1mx1mx1m以内である。
本学からの参加者は日本画:市川保道、戸田康一、桝田隆一 。油画:相笠昌義、今井信吾、岡崎紀、木村一生、鶴見雅夫 、松本英一郎、室越健美、福島誠、木嶋正吾。版画:小作青史、小林敬生、森野真弓、渡辺達正 。彫刻:小田襄、竹田光幸、石井厚生 。グラフィック :草深幸司、佐藤晃一、田口敦子、竹内成志、田保橋淳 、中森陽三、脇リギオ 。プロダクト:高木晃。テキスタイル:わたなべひろこ、橋本京子、檜垣檀。美術学部の教授29名、助教授1名の計30名である。辻惟雄学長、平野拓夫生産デザイン学科長、小田襄彫刻学科長、 市川保道日本画学科長、田村勇二教務部学務課長が招聘されている。
同時にシンポジュウム「21世紀に向かっての美術教育」が開催される。本学のパネラーは平野拓夫。今回は初めて本学から彫刻学科より立体作品を3点出品します。小田襄教授は、ステンレスの金属彫刻、竹田光幸教授は欅による木組の木彫刻、石井厚生教授は 大理石と黒御影石を使った石彫刻です。 また生産デザイン学科プロダクトデザイン高木晃教授は、モダンな3点セットの漆器を 出品します。ほかに、わたなべひろこ教授は金糸を使ったテキスタイル作品を出品します。他の教授もすべて日本を代表する作品として中国美術館で展覧されます。 中国、韓国、日本の代表作家がそろって作品を陳列し、お互いの大学間交流を推進し、学生間にも 刺激しあえる機会となる。