学校法人多摩美術大学経理規程(昭和63年3月28日制定)
第1章 総 則
(目 的)
第 1 条 この規程は、学校法人多摩美術大学(以下「本法人」という。)の経理に関する基準を定めて経理事務の正確かつ迅速な処理を図り、もって経営の能率的な運営と、教育研究活動の発展に資することを目的とする。
(適応範囲)
第 2 条 この規程は、本法人およびその設置する学校の会計事務について適用する。
(経理の原則)
第 3 条 本法人の経理は、学校法人会計基準の主旨に基づき、真実かつ明瞭に、継続して財政状態および経営の実績を表示するものでなければならない。
(会計年度)
第 4 条 本法人の会計年度は、4月1日に始まり翌年3月31日に終わる。
(会計単位)
第 5 条 本法人の会計単位は、次のとおりとする。
1、法人本部
2、多摩美術大学
(法人の経理)
第 6 条 本法人の経理は、統一会計とする。
ただし、前条に定める会計単位ごとに区分して、次の内訳表を作成するものとする。
1、資金収支内訳表
2、人件費支出内訳表
3、消費支出内訳表
(会計責任者)
第 7 条 会計単位の経理責任者(以下「会計責任者」という。)は、本部ならびに大学においては経理部長、学園においては事務部長とする。
2.会計責任者は、会計事務について常務理事の指示に従わなければならない。
(会計事務)
第 8 条 会計責任者は、次の会計事務を掌理する。
1、予算および決算に関する事項
2、資金計画に関する事項 (本部)
3、基本財産、運用財産、収益事業用財産等財務に関する事項 (本部)
4、補助金、寄付金等に関する事項
5、学費その他の収入に関する事項
6、給与および諸経費の支出等金銭の出納、保管に関する事項
7、借入金に関する事項 (本部)
8、その他経理に関する事項
(帳簿等の保存期間)
第 9 条 経理に関する帳簿、伝票および書類の保存期間は、次のとおりとする。
(1)予算および決算書類………………永久保存
(2)会計帳簿および会計伝票…………10年保存
(3)証 憑 書 類 ………………………10年保存
(4)その他の書類………………………5年保存
2.前項の保存期間は、帳簿等閉鎖の時からこれを起算する。
第2章 勘定科目および帳簿組織
(勘定科目)
第10条 本法人の勘定科目は、別に定める勘定科目規程により整理する。
2.各勘定科目の性質および処理基準については、学校法人会計基準に準じて処理する。
(会計帳簿)
第11条 会計責任者は次の帳簿を備え、所要事項を整然かつ明瞭に記録しなければならない。
(1)主 要 簿
総勘定元帳 (本部)
総勘定元帳明細簿 (本部)
資金収支元帳
消費収支元帳
仕訳帳 現金、預金出納簿
(2)補 助 簿
固定資産台帳 (本部)
負債台帳 (本部)
有価証券台帳 (本部)
(会計伝票)
第12条 会計伝票は、次のとおりとする。
1、入金伝票
2、出金伝票
3、振替伝票
(会計伝票の作成)
第13条 会計伝票は、証憑書類に基づいて作成するものとし、当該会計責任者の承認を得なければならない。
(記 帳)
第14条 総勘定元帳は、すべて仕訳帳を通じて記帳しなければならない。
2.補助簿は、会計伝票またはその証憑書類に基づいて記帳しなければならない。
(検算照合)
第15条 記帳責任者は、記録と計算の正否を確かめるため、毎月、総勘定元帳の各勘定残高を関連帳簿と照合し、同時に合計残高試算表を作成し、報告しなければならない。
第3章 金銭会計
(金銭の範囲)
第16条 金銭とは、現金、預金、振替貯金をいう。
2.有価証券および手形は、金銭に準じて取扱うものとする。
(金銭の管理責任者および出納責任者)
第17条 金銭の管理責任者は、会計責任者とし、すべての金銭の保管、出納に関する職務を行う。
2.金銭管理責任者は、金銭の保管、出納に関する職務を行うため、必要に応じて各部署に、出納責任者をおくものとする。
(学費の収納)
第18条 学費の収納は、所定の納入書により銀行口座振込とする。ただし、聴講料・特別実習費を除く。
2.学費は、現金で収授してはならない。
(その他の収納)
第19条 学費以外に収納した金銭は、各部署において証憑書類に基づき、入金伝票を起票し速やかにこれを銀行に預金する。
2.出納責任者は、金銭を収納した場合、所定の領収証を作成して発行する。
(金銭の保管)
第20条 収納した金銭は、日々銀行に預け入れ、これを直接支払に充当してはならない。
2.金銭を一時保管する場合は、出納責任者が所定の金庫に保管しなければならない。
(手許現金)
第21条 出納責任者は、随時支払に充てるため、100万円を限度として手許現金を保x有することができる。
(金銭の照合および過不足)
第22条 出納責任者は、毎日の手許現金有高を実査し、帳簿残高と照合する。
2.預貯金については、毎月1回以上、その収支および残高に対し、出納責任者が当座勘定照合表、預金通帳、郵便振替受払票等により照合する。
なお、会計責任者は、毎月末の預金残高を、帳簿残高ならびに銀行残高証明書と照合しなければならない。
3.現金に過不足が生じた場合には、出納責任者は、速やかに会計責任者の報告し、その指示を受ける。
(金銭の支払い)
第23条 金銭の支払は、会計責任者の承認を得た出金伝票により行う。
2.外部に対する支払は、原則として銀行振込制、横線小切手による。
3.金銭の支払に対しては、支払先より適正な領収証を徴収するものとする。
ただし、銀行振込制による場合は、取扱銀行の証憑書類によって支払先の領収書に代えることができる。
4.やむを得ない事情により、領収証の徴収が不可能な場合には、会計責任者の承認を得て、所管部署の責任者の領収証をもって、これに代えることができる。
(支払方法)
第24条 支払は、原則として定時払(毎月20日に請求書を締切り、翌月10日を支払日とする。)とし、その支払方法は、銀行振込制または横線小切手によるもの とする。
ただし、給与、謝礼、見舞金及び小口支払等これにより難い場合はこの限りではない。
(資金の送受)
第25条 本部以外の支払所要資金は、本部から送受するものとする。
第4章 資金会計
(資金計画)
第26条 会計責任者は、予算決定後速やかに資金計画をたて、理事長の承認を得なければならない。
2.資金計画を、修正するときもまた同じ。
(資金の借入)
第27条 理事長は、予算の執行にあたり必要あるときは、資金の短期借入を行うことができる。
2.短期借入金は、当該年度内に返済しなければならない。
(金融機関との取引)
第28条 銀行その他の金融機関と取引を開始または廃止するときは、理事長の承認を得なければならない。
2.金融機関との取引名義は、理事長名とする。
(資金の貸付)
第29条 資金の貸付については、特に定める場合を除き、理事長の承認を得なければならない。
(有価証券)
第30条 有価証券を取得、または売却するときは、理事長の承認を得なければならない。
2.有価証券の価額は、原則として取得価額による。
ただし、時価が取得価額より著しく低く、かつ取得価額まで回復の見込みがないときは、時価により評価する。
第5章 固定資産会計
(固定資産の範囲)
第31条 この規程において、固定資産とは次のものをいう。
(1)有形固定資産
土 地
建 物
建物付属設備
構築物
教育研究用機器備品
その他の機器備品
図 書
美術参考品
美術参考資料
車 両
建設仮勘定
(2)その他の固定資産
電話加入権
長期有価証券
差入保証金
奨学貸与金
長期定期預金
特定基本金引当資産
2.有形固定資産は、図書および少額重要資産を除き、1件または1組の価額が10万円以上のもので、耐用年数が1年以上のものとする。
(取得価額)
第32条 固定資産の取得価額は、次の各号によるものとする。
(1)購入によるものは、その購入価額に購入付帯費を加算した額。
(2)交換によるものは、交換に提供したものの帳簿価額。
(3)無償によるものは、その適正な時価による評価額
(購入および管理)
第33条 固定資産の建設、購入、管理および処分については、別に定めるところによる。
(建設仮勘定)
第34条 固定資産のうち、建設が未完成のため価額が確定しないもの、または購入により付帯すべき費用が確定しないものについては、建設仮勘定をもって整理し、未確定の金額が確定のつど、固定資産の当該科目に振替処理を行うものとする。
(修繕および改良)
第35条 有形固定資産の使用期間を延長し、またはその価額を増加せしめる部分に対応する支出は、資本的支出とし、これをその資産の価額に加算する。
2.有形固定資産の維持保全のための支出は、消費支出とする。
(現物照合)
第36条 固定資産管理責任者は、毎会計年度に1回、個々の現物について固定資産台帳と照合するものとする。
2.前項の現物照合により、固定資産の滅失、損傷、簿外資産を発見したときは、遅滞なく固定資産の処分に準じて処理し、それぞれ所要の手続きをとり、理事長に報告しなければならない。
(損害保険)
第37条 火災等により、損害を受けるおそれのある固定資産については、適正な価額により保険に付さなければならない。
(減価償却)
第38条 有形固定資産は、土地、図書、美術参考品、美術参考資料および建設仮勘定を除き、毎会計年度、定額法により減価償却を行う。
2.定額法の計算において、残存価額は零とする。この場合、最終年度に備忘価額を付するものとする。
3.減価償却は、資産を取得した年度には行わず、その翌年度より行うものとする。
4.減価償却資産の耐用年数は、学校法人委員会報告第28号の規程を適用する。
ただし、前記規程の耐用年数表にない資産またはこの表の区分によりがたい資産については、本法人が別途定めるものとする。
第6章 物品会計
(範 囲)
第39条 物品とは、固定資産以外のもので用品、消耗品および貯蔵品の流動資産をいう。
2.前項の用品とは、1個または1組あたりの取得価額が10万円未満、または耐用年数1年以上のものをいう。
(購入の会計処理)
第40条 物品の購入は、検収基準により、計上するものとし、所管部署が作成した買掛金月計表に基づき、会計処理を行うものとする。
2.買掛金月計表は、記帳担当者が毎月3日までに前月分を作成し、所管部署長を経て経理責任者へ提出しなければならない。
(消費額の会計処理)
第41条 物品購入の計上は、消費支出として処理する。
2.会計年度末における物品のたな卸高は、消費支出の計算に入れないものとする。
ただし、金額が僅少の場合はこの限りではない。
第7章 予 算
(予算の目的)
第42条 予算は教育研究活動の明確な計画に基づき、かつ、財政上の諸要件と調和を図って編成し、実績との対比検討を通じて経営の円滑な運営に資することを目的とする。
(予算の種類)
第43条 予算の種類は次のとおりとする。
1、資金収支予算
2、消費収支予算
(予算単位および予算責任者)
第44条 予算の編成ならびに執行を合理的に行うため予算単位を置く。
2.予算単位は会計単位と同一とし、法人本部においては常務理事、大学においては学長、学園においては学園長を予算責任者とする。
3.法人本部は各予算単位の予算を総括する。
(予算の基本方針)
第45条 予算の基本方針は、理事会がこれを決定する。
(予算大綱の通達)
第46条 理事長は、前条の基本方針に基づき、予算大網を定め、予算責任者に通達するものとする。
(予算積算)
第47条 予算責任者は前条の予算大綱にそって、教育研究計画書または事業計画書を作成し、これに基づく予算積算書を経理部長に提出しなければならない。
(予算積算の区分)
第48条 予算の積算は、第5条の区分ごとに行うものとする。
(予算の原案)
第49条 経理部長は、提出された各予算書を集計し、予算責任者と協議のうえ、予算原案を編成する。
2.経理部長は、予算原案および予算責任者の提出した教育研究計画書、事業計画書を理事長に提出しなければならない。
(予算の決定)
第50条 理事長は予算原案に基づき、予算案を作成し、理事会の審議を経て、これを決定しなければならない。
2.理事長は、予算の決定にあたって、評議員会の意見を聞かなければならない。
(予算の配賦)
第51条 予算が決定したときは、これを各予算単位に配賦する。
2.予算の配賦にあたっては、その一部を保留し、必要のつど配賦することができる。
(予算の実行)
第52条 各予算単位の長は、予算を責任をもって実行するものとし、別に定める場合を除き、予算を超過して支出をし、または予算科目間の流用をしてはならない。
2.予算科目間の流用および予備費の補充につては、理事長の承認を得なければならない。
(補正予算)
第53条 やむを得ない事情により予算の追加、または重要な変更を必要とするときは、理事長は補正予算を編成し評議員会の意見をきき、理事会の審議を経て、これ を決定するものとする。
2.会計単位の長が予算の補正を必要と認めたときは、その理由を具して、理事長に申請するものとする。
(予備費)
第54条 予測し難い予算の不足に充てるため、予備費を予算に計上することができる。
第8章 決 算
(決算の目的)
第55条 決算は、毎会計年度の会計記録を整理して、予算と実績を比較し、資金収支および消費収支の結果、ならびに財政状態を明らかにすることを目的とする。
(決算の種類)
第56条 月次決算は、毎年1日からその月の末日までとし、年度決算は第4条に規定する会計年度毎に行う。
(月次決算)
第57条 月次決算は、前条の期間における会計記録を整理して、翌月15日までに次の書類を作成しなければならない。
(1)合計残高試算表
(2)収 支 報 告 書
(年度末決算)
第58条 経理部長は、年度末決算に必要な手続きを行い、次の決算書類を作成しなければならない。
(1)資金収支計算書(資金収支内訳表、人件費支出内訳表を含む)
(2)消費収支計算書(消費収支内訳表を含む)
(3)貸 借 対 照 表
(4)付 属 明 細 表
ア、固定資産明細表
イ、借入金明細表
ウ、基本金明細表
(決算の確定)
第59条 前条の計算書類は、公認会計士または、監査法人ならびに監事の監査を経て、理事会に提出し理事会が決算を承認したときは、監事の意見を付して毎年5月末日までに、評議員会に報告しなければならない。
2.決算が確定後、速やかに各種帳簿を締切り、帳簿、証憑書類は指定の場所に定められた期間保存しなければならない。
第9章 監 査
(監査の目的)
第60条 監査は法人の会計および一般業務について、その内容を調査し、誤謬、脱漏等を防止するとともに、適正な処理と財産の保全を図ることを目的とする。
(監査担当者)
第61条 監査は監事が行う。
2.前項に規定するもののほか、理事長は、公認会計士または、監査法人に監査を委嘱するものとする。
3.理事長が必要と認めるときは、職員のなかから監査委員を任命し、内部監査を行わせることができる。
(監査の方法)
第62条 監事の行う監査は、私立学校法および寄附行為の定めるところによる。
2.公認会計士または、監査法人が監査を行うに当たっては、一般に公正妥当と認められる監査基準に準拠し、必要な監査手続きを行うのもとする。
3.監査委員による監査は、理事長の指示した事項について行うものとする。
(監査担当者の権限)
第63条 監査担当者は各会計単位に対し、監査遂行上必要な、一切の行為を求めることができる。
2.会計単位の長および会計責任者は、監査担当者の監査の実施にあたって、これに協力しなければならない。
(監査報告書)
第64条 監査担当者は、監査の結果について速やかに報告書を理事長に提出しなければならない。
(監査担当者の義務)
第65条 監査はすべて事実に基づいて行わなければならない。
2.監査担当者は、業務上知り得た事項について正当な理由なく他に漏洩し、または自ら窃用してはならない。
第10章 雑 則
(規程の改廃)
第66条 この規程を改廃しようとするときは、理事会の議決を経なければならない。
(細則の制定)
第67条 理事長は、この規程の施行について必要と認めるときは、細則を定めることができる。
附則 この規程は、昭和63年4月1日から施行する。
附則 この規程は、平成2年6月1日から施行する。
附則 この規程は、平成6年4月1日から施行する。