消費収支比率 :消費支出の消費収入に対する比率で、低い値が良いとされる。 この比率が100%を超えると消費支出超過(赤字)となり、一般的には収支が均衡する100%前後が望ましいと考えられるが、消費収入は基本金組入額により大きく左右される。 本学は、380.5%(平成9年度)、147.1%(平成10年度)と芸術系部門平均それぞれ98.4%、94.5%と比べて大きく乖離している。 この要因は、八王子校舎建設整備等にかかる固定資産取得の基本金組入額によるものである。
(2)貸借対照表の財務比率
相反する「教育研究」と「財務の健全性」の調和が維持されているかの観点から、財務分析を実施する必要がある。
固定資産構成比率:固定資産の総資産に占める構成比率で、低い値が良いとされる。教育研究事業には多額の設備投資を必要とするため、この比率が高くなるのが学校法人の財務的特徴であるが、この比率が特に高い場合は資産の固定化が進み流動性に欠けると評価される。しかし、各種の「○○引当特定資産」も「その他の固定資産」として扱われることに注意が必要である。本学は、56.3%(平成8年度)、66.4%(平成9年度)、72.4%(平成10年度)と芸術系部門平均83.1%に比べて10.7%低い比率であるが、八王子校舎建設整備進行とともに比率が大きく上昇している。