資料3-3

東京国際ミニプリント・トリエンナーレ

 

1998.10.20 「第2回東京国際ミニプリント・トリエンナーレ1998」多摩美術大学附属美術館。主催:多摩美術大学。後援:外務省、文化庁、国際交流基金、町田市立国際版画美術館。世界各国から集まった多くの作品の中から、入賞作家31名および入選者291名の作品が展示された。今回は、インターネット等の普及による呼びかけの効果もあって、海外からは1,679名、国内から649名と、合わせて86ヶ国(日本を含む)と2地域より2,328名の応募がありました。そして応募作品数は4,338点にのぼりました。1995年の第1回と比べると約500名の参加者の増加がありました。
応募期間:1998年1月10日〜4月15日。出品無料。
  審査は5月15日八王子校舎図書館閲覧室・ゼミ室で行われました。審査員には靉嘔、小作青史、建畠晢、吹田文明、米倉守といった、本学で教鞭を執る作家と評論家5名で構成され、白熱した審査展開となりました。朝10時から審査が始まり、大賞、特別賞などの入賞作品を決定した時は午後7時を回っていました。
 それぞれの賞を決定する手段として挙手による多数決制が採用されましたが、どの審査員の方も自分の推す作品のことになると自分のことのように熱っぽく語り、作家・評論家としての立場から、それぞれの意見・制作論を展開していました。その結果、タイのThwatwadeewong Choochai氏の作品“UNTITLED”が大賞に選ばれました。大賞は300,000円(買取り賞)

  東京国際ミニプリント・トリエンナーレは、小さなサイズ(20x25cm)の版画表現という条件による作品公募展です。その条件ゆえの郵送で応募できる参加の簡便制により、全世界のアーティストの誰もが自由に参加出来るという可能性に着目しています。世界の版画制作活動の現状を把握し、それらを通じた定期的な芸術交流を目指しています。
  また、今後も参加作家から寄せられた、版画制作に関するアンケート調査の整理・分析をすすめ、版画表現に関する学術的な研究や社会的な活動に貢献していきたいと考えます。東京国際ミニプリント・トリエンナーレの理念と活動を世界に向けて発信することで、日本のアートシーンの国際的な視野を拡張する一助となり、美術がより社会に開かれたものとなることを望みます。それはまた国際的な視野に立った、開かれた大学を目指す多摩美術大学の理念につながる、重要なプロジェクトです。
  (「第1回東京国際ミニプリント・トリエンナーレ1995」は1995.11.03-11.30本学附属美術館で開催され、約1カ月間の会期中に計3,005人の来館者を集めた。 審査員には、靉嘔、池田満寿夫、小田襄、建畠晢、深沢幸雄、吹田文明、峯村敏明といった、本学で教鞭を執るさまざまなジャンルの先生方があたり、入選者数293名、受賞者数25名という厳選となつた。大賞にはポーランドのカリンスク氏の作品「JANUARY'95」が選ばれました。この作品は、白黒のリノカットによる単純明快な表現で、さらに他の受賞作にもそうしたシンプルな表現が多く見受けられました。 同展では、1994.1に起きた阪神・淡路大震災で倒壊・破損した文化財や美術品の修復・保護の資金にするため、作品の寄贈を希望する入選者の作品を、創立60周年記念式典の会場および展覧会期間中の会場に於いて1点5,000円でチャリティ販売し、その売上金66万円を東京国立文化財研究所 文化財救援事業に寄付した)