共同研究の記録
1)彫刻研究室の共同研究
1997-98-99 制作協定[更埴市での彫刻設置]1985年より彫刻学科と長野県更埴市とは彫刻設置協定に従い事業を進めている。
安らぎのあるまちづくりを進めている更埴市と、自然形態の探求と感性の練磨によって、個性ある作品
を生み出そうとする多摩美術大学の教育方針が共感を呼び、昭和60年「モニュメント制作協定」が締結
された。 設置された作品は61点におよび市内の随所で見受けられるようになった。
野外彫刻は、多摩美術大学担当教授を中心にした学生のチームが、更埴市を訪れ、地域の歴史などを研究
しながら、設置場所にあった作品を制作し、大学内で行われるコンペにおいて選ばれる。春、杏の花の咲き乱れる頃、設置予定場所を下見し、プランを考え、過去設置された作品を見学する。学生達にとっては野外に
恒久的に設置されることは学内では決して学び得ない体験でありその教育的成果は計り知れないものである。
市内に設置された野外彫刻は池の岸辺にたたずみ行楽の人々を迎え、
あるものは公園で子供たちとたわむれ、またあるものは、街角や広場のシンボルとしてみち行く人々に安らぎを与えています。このような芸術活動を介しての
作品発表こそ若い作家たちの大切なテーマでもあり、またそれが同時に更埴市のすぐれた地域性の発揚に役立つ
ことでもなければ、これにすぐる提携の実は望めないであろう。この事業に参加する若い人たちの創作意欲を
一段と奮い立たせる契機にもなるであろう。また、それは新しい時代のエコロジカルな文化運動として、市にも
大学にも、新世紀へ向けての大きなプラスになるにちがいない。
1997.00.00 彫刻設置「森之唄」頼永興。ブロンズ。水環境整備事業
大池親水広場
1997.00.00 彫刻設置「邂逅」塩路秀哲。大理石 黒御影石。大田原広場
1998.00.00
彫刻設置「翼が見せてくれたこと」四家真理子。白御影石。大田原マレットゴルフ
場
1998.00.00 彫刻設置「blooming」カマタヨリコ。ステンレススチール。月山公園入口付近
1998.00.00 彫刻設置「朱色の記憶」金巻芳俊。ブロンズ生萱。湯沢
1999.00.00 彫刻設置「風の樹#2」大島学。黒御影石。八幡工業団地
1999.00.00
彫刻設置「タイムカプセル」井上裕起。黒御影石。森将軍塚古墳前
1999.00.00 彫刻設置「育」森大輔。ブロンズ403号。バイパスポケットパーク
1999.08.07 制作協定[花と緑せせらぎ」寒河江市。二の堰親水公園多目的広場に市との共同事業でブロンズ像を設置。
1999.09.03
新聞掲載「宇宙人?いや展望人」山形新聞。大学院生森大輔「展望人」ブロンズ
1999.08.07
新聞掲載「親水公園に新たな潤い」山形新聞。多摩美術大学が制作。大学院生伊藤励「カッパ」ブロンズ
2)工芸研究室の共同研究
1997-98-99 インターンシップ「多摩美術大学あづみ野ガラス工房」豊科町開発公社。長野県豊科町と多摩美術大学との提携のもとに1985年5月より運営されているガラス工房。多摩美術大学ガラス部門の学生が、卒業後にガラス造形を継続出来る工房。いわば、医者の世界のインターン期間を過ごすところと言ったら適切だろう。5年を限度として研修ができる。
3)グラフィック研究室の共同研究
1999.00.00 共同研究「ポスターリサーチプロジェクト」
1998.00.00 共同研究「防災サイン計画 」
1998.00.00 共同研究「農村環境色彩コントロール」
1998.00.00 共同研究「竹尾ポスターコレクション」
1998.00.00 ポスター制作「八王子市文化振興財団年間イベント」
1998.00.00 デザイン画制作「橋本北口地区市街地再開発仮囲い」
1998.00.00 共同研究「シンボルマークデザインTAMA産業活性化協議会」
4)プロダクト研究室の共同研究
1997.06.10 共同研究「創発」について。東京大学 人工物研究所。4学年プロダクトの8名。省資源や愛着につながる「創発」…「利用者に意外性を与えると思わせる幾つかの利用形態を想定し、それを実現するための仕組みを人工物にあたえる」をテーマに家具や乗り物等を、卒業制作として提案。大学間、学生間の交流が深まった。備考:研究論文集有り。
1997.07.01 研究開発「ユニバーサルデザイン研究2」NECデザイン。3学年プロダクト学生。携帯電話、FAX、ATMをテーマにユニバーサルデザイン。NEC本社ビルにて成果発表。その中の簡単セットファクシミリは、ニューヨークで開催されたユニバーサルデザインの国際会議にて発表。日本の大学では唯一の参加で、学生による発表を行った。作品は絶賛され、ユニバーサルデザインの研究では、世界からも注目され、ユニバーサルデザインの国際ネットワークの日本代表の大学に選ばれた。備考:A4サイズ80ページの報告書、紹介パンフレット有り。
1998.06.10 研究開発「ユバーサルデザイン研究3」NECデザイン。3学年プロダクト学生。公衆情報端末、パーソナルコンピューターの研究開発及びインターフェイスのデザイン。NEC本社ビルにて成果発表。企業側の経験や技術のサポートで、学生の斬新なアイデアで6作品を発表。富山デザインセンター開催のユニバーサルデザイン展に展示。他に川崎サイエンスパークにて展示発表。備考
A4サイズ80ページの報告書、紹介パンフレット有り。
1998.07.28
デザイン提案「長寿社会における高齢者の住居形態」三井ホーム。3学年インテリア
。長寿社会における高齢者の住居形態を研究。三井ホームにて成果発表。高齢者の楽しみを生かした生活空間等を提案することが、高齢者の残存能力を充分に発揮し、自立した生活が持続できると考え、「高齢者の生活実態の理解」と「発想の柔軟性を生かす」事を心掛け、高齢者のための住宅や家具を提案。備考
報告書あり。
1999.07.10 デザイン提案「ユニバーサルデザイン」三井ホーム。3学年インテリア学生。ユニバーサルデザインに関する研究として、住宅空間、家具を提案。三井ホームにて成果発表。長寿社会における高齢者の居住形態に対し、既成概念にとらわれないアイデアで新しいイメージを創造する。備考
紹介パンフレット有り。
1998.12.11 新聞掲載「インテリア三井産学共同研究」毎日新聞
1999.07.30 新聞掲載「インテリア三井産学共同研究」産業経済新聞
1999.03.19 新聞掲載「インテリア三井産学共同研究」朝日新聞
1998.09.10
研究開発「アルミニウムのパイプを材料としたプロダクト」(株)日南。2学年プロダクト学生がアルミニウムのパイプを材料としたプロダクトの研究開発。アルミニウムを材料として、生活の中に潤いをあたえるプロダクトを制作。作品の中から優秀な8点について試作化、商品としての量産を検討するが、販売ルートに活路が見い出せず、商品化を見送る。備考:報告書、試作品有り。ホームページにて公開中。
1999.09.15 研究開発「Neo Japanism」(株)日南。2学年プロダクト学生。古来より、日本の生活様式の中で生まれ、育まれ、暮らしを彩ってきた伝統的な道具を現代の感覚で見つめなおし、新しい価値観と形態を創造する。備考
紹介パンフレット有り。
1998.11.28 作品制作「We LOVE SNOOPY」東宝.ムービックプロモート。1学年プロダクト学生。スヌーピー50周年を記念しての作品を制作。「地球への愛」をテーマにペットボトルや空き缶等を材料にユニークな作品を制作。国内数ケ所の百貨店の展覧会にて展示。2000年に原作者シュルツ氏が来日、審査有り。学生は環境問題や、省資源について考える良い機会となった。備考
紹介パンフレット有り。
1999.04.13 研究開発「大垣市設置の情報端末」NECデザイン。4学年プロダクト学生。NEC本社ビルにて成果発表。ユニバーサルデザインを考慮し、本体及びインターフェイスデザインを提案。誰に対しても使いやすいインターフェイスデザインと車椅子の人にも使いやすい本体デザインを提案。大垣市の福祉センターに設置。製品化実現。備考
報告書有り。
1999.04.13 デザイン提案「21世紀の建設機械」日本建設機械化協会。4学年プロダクト学生。有明ビックサイト[99Conet
、21世紀の建設機械]にて成果発表。21世紀に向けての環境や人々の暮らしを考慮した新しい建設機械を提案。ビッグサイトではメインの展示になり、モデルの提案姓、完成度が高く評価され、建設省が設置した建設機械博物館に永久展示される。備考:報告書、紹介パンフレット有り。
1999.05.07 デザイン提案「スポーツシューズ」Reebok America。2学年プロダクト学生。新しいスポーツシューズをテーマに8提案を制作。Reebok
Americaを招き学内にて発表会。靴の依託研究は初めての試みであったが、学生には身近なプロダクトで、全く新しい発想のスポーツシューズを提案。備考
紹介パンフレット有り。
1999.07.16 研究開発「元気のでるデザイン」SONY。3学年プロダクト学生。SONY、品川テクノロジーセンターにて成果発表。現在の沈滞した社会状況と、その中で暮らす人々に向け「元気が出る」プロダクトを提案。備考
紹介パンフレット有り。
1999.02.11 新聞掲載「プロダクト産学共同研究」読売新聞
1999.06.01 新聞掲載「新しい自転車の提案」日刊工業新聞
5)テキスタイル研究室の共同研究
1999.10.29 共同研究「幼児のための段ボール遊具」森島紘史。テキスタイルの1年生50名が、大きな段ボールを抱えて持ち込んだ早朝の町田すみれ幼稚園は大騒ぎになった。3歳児から6歳児を対象にデザインした段ボール製の遊具に、こどもたちがどう反応するか、試す日である。レモンのかたちをくりぬいた乗り物「ユラグレモン」 段ボール製のバネつきキノコ「ポップン王国」 かまぼこ型トンネル「ヘビ丸トンネル」 フットボール型乗り物「ゴロン太クン」 ゾウ、ネコ、ウサギの顔の「どうぶつマスク」 ソラマメ型のゆりかご「まめロック」など、5人ずつのグループ制作による10種が遊び場に並べられた。どれも完成度は高く、予想をはるかに越える大好評、人気の遊具には長い行列ができた。発想から完成まで3週間の短期間だったが、実社会での仕事に近いデザインワークに挑戦し、得た成果に学生たちにも笑顔があふれた。
6)環境デザイン研究室の共同研究
1999.00.00 委託研究「線路脇の壁画プロジェクト」JRF
日本貨物鉄道株式会社より、当初落書きのひどかった中央線八王子・豊田間線路脇の70mにわたる壁面に、何らかのアート作品をとの依頼を受け、環境デザイン学科1年生の有志9人が制作しました。国内のテレビ・新聞をはじめ、海外からも好評をいただき、現在さらにスケールを大きくした第2段3段のプロジェクトも進行中。八王子市北野町の浅川河畔に近い土手に立つ高さ1.8m、幅70mの壁に壁画ならぬ壁言葉195行が描かれました。八王子〜豊田間を電車で通過する時に見ることが出来ます。描かれた言葉はお互いの会話の中から拾ったり、ふと思いついたりしたものから選び出し大きさや配列をコンピューターでデザインしたものです。
1999.04.10 産学連携「ベンチャ−企業団体」 第6章社会活動
「地域での社会活動」の項に記載
1999.05.09
新聞掲載「落書き消して制作」朝日新聞多摩版。中央線わきの壁、想像力かきたてる言葉のアート195行
1999.05.09 新聞掲載「中央線文芸の壁」朝日新聞 東京版。195行解釈色々
1999.06.25 新聞掲載「今日も会えたね私の好きな言葉」東京新聞
東京解剖図鑑。町角spot
1999.07.25 新聞掲載「竹400本使い涼空間創出」朝日新聞東京版。多摩美大環境デザイン学科、解体後は炭作り計画
7)情報デザイン研究室の共同研究
1999.00.00 共同研究「小学生の創造性支援」コンピュータでの美術教育の実践にとどまらず、ほんものの造形教育にふれることによって、こどもは何を感じるかを探るのが目的である。またコンピュータ上での造形教育とどうつなげていくかという視点からも研究を行う。
8)芸術学研究室の共同研究
1998.00.00
共同研究「現代美術基礎資料研究」東野芳明文庫リスト、研究室所蔵和・洋雑誌バック・ナンバーリスト、峯村敏明文献リスト、多摩美術大学図書館からの移管雑誌リスト。
1999.00.00
共同研究「瀧口修造・北園克衛文庫資料研究」両文庫を拡充し、活用することで本学の教育研究に役立てるだけではなく、資料の公開(資料展示室・閲覧室の開設、資料展の開催、目録の出版やデータ・ベース化、両文庫に関する講演や公開講座)を通じて、学外の研究者の研究や地域社会の生涯教育に貢献する。
1999.06.07 特別展示「両文庫所蔵資料」上野毛校舎図書館2階資料展示室
1999.06.05 イベント「瀧口修造文庫について
巖谷國士明治学院大学教授(代読)」 「北園氏について
ジョン・ソルト氏スライドレクチャー」「北園氏の詩の朗詠
西松布咏氏」上野毛校舎図書館
1999.06.11
新聞掲載「詩と美術を考えるヒントになる催し」朝日新聞。多摩美術大学図書館に資料展示室が完成、瀧口修造文庫と北園克衛文庫の資料を展示中
1999.04.11 新聞掲載「シュールレアリスムを日本に紹介」朝日新聞
第二東京。故瀧口修造の寄贈品、ポスターなど1万点データベース化進む、多摩美大上野毛図書館、
1999.12.01
ウェブ・サイト更新「瀧口修造文庫」多摩美術大学附属図書館。恩蔵昇編「瀧口修造文庫について」「瀧口修造について」「瀧口修造年譜」。西島憲生「瀧口修造と映画
---
いくつかの接点」。海老塚耕一「瀧口修造とタケミヤ画廊」。村山康男「瀧口修造とフランク・オハラ」。恩蔵昇「クレーの六つの詩
瀧口修造訳の生前未発表原稿について」。「瀧口修造文庫資料へのリファレンス」。「千円札裁判関連資料
訴訟の記録」。「瀧口修造文庫資料から見た1953年の状況」。「瀧口修造文庫所蔵の美術展カタログ」。「アンリ・ミショー著
ミゼラブルな奇跡、献辞の解読、および瀧口論文の紹介」。「詩画集
物質とまなざし」。「版画集 あんま」。「Gruppo T
関連資料」。「マルセル・デュシャン関連資料」。渡邊嘉幸
大倉麗菜)「1958年の欧州旅行。「ダダ・シュルレアリスム関連文献リスト」。「瀧口修造著作リスト」。「瀧口修造文庫資料検索」
1999.11.01
ウェブサイト更新「北園克衛文庫」多摩美術大学附属図書館。「北園克衛文庫について」。「北園克衛年譜」。建畠晢「日本の視覚詩の運動について---VOUとASAを中心に」。平出隆「言語の消却・時間の消却」。ジョン・ソルト『意味のつづれ織りを破砕する』
序文。John Solt, Introduction of Shredding the Tapestry of Meaning: The Poetry and
Poetics of Kitasono Katue (1902-1978)。「資料へのリファレンス」。「自筆原稿
単調な空間」。ジョン・ソルト「同人誌 VOU」。「北園克衛映像作品:Plastic
Poem / "Une idee verticale."8mm Film」。「北園克衛文庫全資料目録」。「北園克衛文庫画像アーカイヴ」。「北園克衛
プラスティック・ポエム」
1999.03.00
研究開発「あそびじゅつー現代美術の世界へ」セゾンアートプログラムが実施する教育普及事業のひとつで、その実現のために芸術学科海老塚耕一研究室が委託研究を受け、プロデュース系の3年生と大学院生が海老塚の指導のもとに研究・開発・企画協力、ならびにツールの制作を行いました。また、ツール制作においては、生産デザイン学科和田達也研究室(プロダクト)、生産デザイン学科高橋正研究室(テキスタイル)の絶大な協力をあおいでいます。尚、このプログラムは文部省委嘱事業「親しむ博物館づくり事業」のひとつでもあります。アートボックス「あそびじゅつ」は、こどもたちが美術を楽しく鑑賞することができるようにするためのツールであり、現代美術に近づくひとつの手掛かりとして制作されました。こどもたちの能動的な行為を含めて鑑賞する新しい観賞教育の提案です。そのためのヒントが「あそびじゅつ」のアートボックスにはたくさん詰まっています。アートボックスのなかには16種類の教材ツール、指導者のためのガイドブック、セゾン現代美術館の作品スライド、ツールの使用解説書のファイルなどが入っています。それらはすべて、「色と形」、「線・イメージ」、「動き」、「もの」、「からだ」、「時間と場所」、「記号」、「スケール」、「芸術家」の9つのテーマで結ばれ、これらのツールをこどもたちが手にとり、遊ぶことによって自然にテーマや美術を考えられるように工夫されています。「あそびじゅつ」は主に小学校中学年から中学生を対象にした教材ツールですが、一般の方々のための現代美術入門としても活用いただけます。今後、セゾンアートプログラムのアウトリーチ活動として、全国の学校、教育機関、文化施設、福祉施設などに貸し出されます。
9)共通教育研究室の共同研究
1997.04.27 学会担当「日本民族芸術学会
第13回大会」上野毛講義室。実行委員長近藤秀美。テーマ:民族芸術と東京。江戸より続く日本の首都としての東京を1997年の時点において、どのように捉えるかを、様々な角度から切り込みます。巨大な国際情報都市として、ただ表面だけの模倣・愛撫に終わる、偉大な村:東京。多摩美術大学には、村の概念から脱出しながら村で頑張っている、東京焼の中村錦平教授、反住器の毛綱毅曠教授がいます。東京にはあらゆるものがあるが、日本だけが無い、といった外国人がいる。民族芸術学会のテーマとして唐突ともいえるこの無国籍な都市、東京のスタイルに民族芸術学的研究の視座が可能なのか。いくつかの切り口から検討、考察し、あえて私たちの首都の民族的、芸術的体質のありか、意義を、試論として問う。シンポジューム「民族芸術と東京」瀬戸正人、萩原朔美、米倉守、奥野健男、中村錦平、福島勝則、毛綱毅曠。分科会「表現された東京、表現する東京」萩原朔美、川本三郎、清水邦夫。「発信と受信」米倉守、大橋力、木村重信。「世田谷」福島勝則、大島清次、進次五十八。イベント「アラブ古典音楽レクチャーコンサート」松田嘉子、竹間ジュン、藤井良之。研究発表。総会。
1997-98-99 共同研究「 宗教美術の総合的研究」
毎月行われる定例研究会。公開講座は、外部の研究者を招聘し、広く一般にも参集を求めて実施される。第7回目、第8回目は「宗教美術における終末と再生」という共通テーマを設定し、特別講義と共にシンポジウムを実施した。その中で行われた討議の内容に関しては、報告書を作成し、内外にその成果をアピールした。本学の宗教美術研究会の存在は美術愛好家から宗教学研究者までかなり広汎に知られている。
10)造形研究室の共同研究
1997-98-99 共同研究「ミニアチュール絵画の新考察」小宇宙からの萌芽展の開催を通じミニアチュール絵画を考察する。細密画(インド)サムホール(ヨーロッパ)を資料にし、東洋、西洋の域を超えた、新しい日本の小品細密画を研究する。日本画、油画のサムホール制作を通じ、東洋の小品細密と西洋の小品細密の共通点と相違点及び細密画の表現力、技術の徹底分析をする。公開研究発表展の開催、公開研究討論会の開催、研究論文付きの作品集を作成することにより、学生指導の素材とする。
11)デザイン研究室の共同研究
1999.10.01 学会担当「国際情報デザイン会議 vp7」上野毛講堂。実行委員長 須永剛司、アンドレアス シュナイダ。「情報」と「デザイン」.新しい世紀へ向けて、より密接な関係をとり結ぶことになるこの二つの言葉の間には、さまざまな可能性と問題とが混在しています.特定の知識と技術をもつ人だけでなく、誰もが、豊かな経験を持てる情報空間を形づくること。人々の暮らしと環境のための情報活用のあり方をデザインすることが、もっと重要になっています。私たちを取り巻く様々な情報のしくみーコンピュータ応用製品のインタフェース、案内サインシステム、サイバースペースのビジネス、グローバル・ネットワークを利用する知識流通の基盤づくり等―これらに適切な「かたち」を与えることを、私たちは広く「情報デザイン」と考えています.ビジョンプラス7」は実践と学問の領域を超えた人々が集い、「情報デザイン」の可能性とそこから展望される人間社会の「より良いコミュニケーションと、そこからうまれる活動的なコミュニティづくり」を考える国際会議を行った。「ビジョンプラス7」の試みが、産業界をはじめ各国の政府や研究・教育機関などの、多様な「情報の創造=知の創造活動の指針となるよう、情報デザイン国際研究所 International Institute for Information Design (IIID)と共に開催した。今回のビジョンプラス7では「情報デザインからコミュニティの構築を考える」ことをテーマとし、世界各国のITスペシャリスト、 インタフェース・デザイナー、デザイン・コンサルタントらが企業の情報マネジメントの枠組みに関する分析・研究を行うほか、人々の活動を基盤とした情報デザインの実際を紹介するなど、情報デザインの理論と実践、そして様々な領域へと応用していく可能性などについて議論する場となった。
12)映像演劇研究室の共同研究
1999.05.28 学会担当「日本演劇学会 創立50周年記念 春季大会」上野毛講堂。実行委員長 福島勝則。前夜セミナ若手研究者大学院生交流「方法としての演劇との出会い」。研究発表「日本の近代演劇」「演劇の性格・意味」。記念講演「舞台とせりふ」。特別講演「今日の世界における文化主義の政策」。研究発表「民衆的演劇」「伝統演劇の近代」。シンポジューム「演劇の近代 近代の演劇とは何か」。取材展「山里の芝居小屋・門和佐の白雲座」
13)共通教育研究室(上野毛)の共同研究
1998 -1999 共同研究「社会人教育についての研究」 芸術は、美しい生き方を探る「生の指標」として、成人教育に最も適したものだが、理論面と実技面の専門家を擁する美術大学でどのような実践教育が可能かを、三年計画で考察研究する。他学科との協力ですすめますが、第一年度は本学卒業生、在校生の社会人入学者のアンケート、進路調査を実施、引続いて第二年度は学外の職者を呼んで公開討論を予定している。本学への社会人入学者、卒業生全員に、大学の現状についてのアンケートを実施。それに基づいた30人を抽出して、担当者がそれぞれインタビューを終えた。図書館の充実、日曜日開講など盛りだくさんの不満と教養がついたなどの内容をまとめ、中間報告書を制作している。この資料を基礎に、研究者の討論会、シンポジウムを企画している。はじめての調査ゆえ貴重なものになった。
14)デザイン研究センタの共同研究
1999.00.00 共同研究「情報端末のデザイン」(株)NECデザイン
1999.00.00 共同研究「21世紀の建設機械」日本建設機械化協会
1999.00.00 共同研究「スポーツシューズ」International LTD.
1999.00.00 共同研究「元気がでるデザイン」 ソニー(株)
1999.00.00 共同研究「 Neo Japanism」(株)日南
1999.00.00 共同研究「Centerland Tree Project」 多摩センター連絡会
1999.00.00 共同研究「ユニバーサルデザイン」 三井ホーム(株)
1998.00.00 共同研究「ユニバーサルデザイン」(株)NECデザイン
1998.00.00 共同研究「アルミニウムを材料としたプロダクト」(株)日南
1998.00.00 共同研究「ユニバーサルデザイン」三井ホーム(株)
1998.00.00 共同研究「 子供向けホームページ」サントリー(株)
1998.00.00 共同研究「PCデザイン」digital ingredient (現:COMPAQ)
1998.00.00
共同研究「共有仮想環境におけるコミュニケーションデザイン」IPA(財)教育ソフト開発・利用促進センター、(株)平野デザイン設計、三菱マテリアル(株)
1998.00.00 共同研究「社会人セミナー(3DCG講座)」平野デザイン設計
1997.00.00 共同研究「地図(地理情報の視覚化)に関する研究」(株)武揚堂
1997.00.00 共同研究「ユニバーサルデザイン」 (株)NECデザイン
1997.00.00 共同研究「創発」東京大学
デザインは、いかなる時代においてもその時代の変化に対応して存続していくものである。したがってデザインの教育は、この加速する時代の変化を呼吸しながら、近未
来の仮説を設けて行わなければならない。しかしながら、わが国の現在の大学制度に
おける限られた単位のなかのカリキュラムでは、十分な教育ができないのは明白である。社会の変革する部分と未来に向けて必要な要素の重なりの部分を積極的に研究
し、それをつねに教育の場に反映させ、さらにこれを社会に還元する。本センターは、この考え方を具体的に実行する機構である。
デザインの分野は、在来の建築・工業デザイン・グラフィックデザイン・染色デザインなどの区分を超えていくつかの部門の総合デザイン、た
とえば「芸術・文化を機軸とした町づくりのデザイン」などの横断的なトータル
デザインとしての必要性が盛んになってきている。大学側は、これを既存各科との共同研究として行わなければならない。
異なる分野の大学にはそれぞれ文化の違いがあり、それらが交流することによって互いに刺激し合い、新たな活性が生じ、新しい視
点からの研究が可能となる。
本センターの設置目的の大きな柱の一つは、企業や官庁との共同研究である。学生側は、日進月歩、加速度的に進む技術に接し、第一線の専門技
術者からの指導を受けることができる。さらに社会や企業で実体験することによって、自分の発想を具体化するために必要な知識を体得し、見識を広げ、自己の新しい
ステージを構築できる。企業側にとっては、造形系の大学はモノやコトを表現する場合、平面や立体の視覚的伝達による方法が得意であるという大きなメリットがあり、
企業内の多分野の人たちが、一目瞭然に研究や価値判断をしやすいという高い評価を受けている。また、地域開発や産業の啓蒙にかかわる研究は、芸術・文化など感性面
の豊かな視点に立った考え方がますます重要となってきている。これを具現化するには、造形系大学が参画した産官学共同プロジェクトが大きな役割を担う。
デザイン研究センターは多摩美術大学において、産官学の共同研究の窓口となり、多摩美術大学との共同研究を希望する企業と契約業務などをサポートし、学内の研究活動を支援している。本センターは各共同研究プロジェクトのオーバーヘッドをその運営の一部にあてている。本センターでは、例えば、産学共同研究共同研究費が支払われる前に必要となる活動資金を貸し出し、研究者が研究を行いやすい環境を整えることも行っている。又、本学の広報活動として有意義な研究教育プログラム費の一部を提供する場合もある。
15)建設整備室の共同研究
1998.03.11共同研究「多摩美術大学における省エネ照明システム」渡辺清光、鹿島建設株式会社
高橋敏美
中田圭介。美術大学におけるデザイン研究および演習を目的とする建築物で、棟内にはデザイン
研究室、デザイン実習室、コンピュータールーム、プレゼンテーションルーム等を備えています。照明設備は、学生への視環境の配慮、省エネルギーの推進をコンセプトとし、各教室には、Hf32W高出力形蛍光灯2灯用露出形器具を採用して、机上面照度(初期)約1,000lxを確保すると共に、昼光自然エネルギーの積極的利用を図り、省エネ化を推進した。
1999.10.21
共同研究「多摩美術大学における雨水利用による便所汚水排水設備」渡辺清光。省エネを目的とした大学における中水処理設備の利用