Shiro TakahashiRaymond Roussel → Chapter 1 of "Impressions of Africa"

a stone-coloured building

ポニュケレ国の首都エジェルに到着したリュンケル号の乗員達が先ず最初にしたことは、劇場の建設と株取引所の建設であった。祝賀祭の参加芸術作品に賭けた掛金の総額一万フランは、ポニュケレ国住民の拍手が一番多かった芸「マリウス10才の猫取り競争ゲーム」に賭けた株主達に配分された。金融経済こそが、想念世界と現実世界を連続させる最大の成功例なのかもしれない。


a miniature of the Paris Bourse            "Japanese HOUANDEN"1946


リュンケウス号乗客達の投機

50名が各自200フランの賭金を出し、総計10000フランを株式仲買人に委託
株券は、1人につき100株(署名記入)を分配
株式市場は、毎日20分開催 相場表 注文書 決済
祝典の後、10000フランの賭金は、デルタ最高勲章の受賞者の株主のあいだで分配される
受賞者選考は各候補者に対して原住民の観衆が与えた拍手の多寡を公平な基準とする

デルタ大勲章の佩用者
マリユス・ブシャレサス「猫取りゲーム」

デルタ勲章の佩用者達
スカリオフスツキー「蚯蚓のシタール演奏」
タンクレード「手足のない不具の身体で楽器を演奏」
ユルバン「雄弁な馬の言語模倣」
レルガルシュ「切断した自分の大腿骨で造った骨笛を演奏」
リュドヴィック「一人で同時に2音を発声して輪唱」
ラ・ピョディエール=メゾニヤル「弾車の剣術機械」


ジュール・ベルヌは小説「20世紀のパリ」1863年において、100年後の1963年には、芸術が金融経済と科学技術に駆逐され、人生は歯車や伝達装置の仕組みで説明されるようになると予想した。

1987年3月30日、安田火災がクリスティーズのオークションで「ひまわり」を約53億円で落札


1858年12月15日、スエズ運河会社 1869年11月17日開通
近代の経済の基本的なシステムは、王立協会(ロイヤル・ソサイエティー、1660年に設立されたイギリス最古の学術団体)の中の経済部門がすべて発明した。紙幣、株式会社、株式形式の銀行、ロイズの保険などなど、今日の経済活動はあらかた、この時代のイギリス人の頭の中から生まれた。[Telephone and Telegraph stock]