ジャン=マリー・ギュイヨー Jean-Marie Guyau 1854-1888(33歳) 鈴木由加里「日本における受容」

1854 年 10 月ラヴァル 生
母:オーギュスティーヌ・テュエリー Augustine Tuillerie(1833 ─1923)3)
義父:アルフレッド・フイエ Alfred Fouillée(1838─1912)
17歳 ゙文学士号
19歳 ゙フランス学士院の人文・社会科学アカデミー賞
20歳 リセ・コンドルセの教員
33歳 ゙亡

1880 「記憶とフォノグラフ」
「自己に内的制裁を加える『良心の呵責』は不道徳の極みであり、それは社会的な『病理現象』にすぎない。
こうして、義務も制裁もない道徳、生の道徳が始められることになる」

1882 中江兆民「グユイヨ ー 英儒道義論」
1882 中江兆民「政理叢談」

1884 Les Problèmes de l'esthétique contemporaine
石上是介訳『現代美学の諸問題』聚英閣, 1926年

1885 Esquisse d'une morale sans obligation ni sanction
石上是介訳『倫理学--義務及び制裁なき道徳の考察』聚英閣, 1926年
西宮藤朝訳『義務と制裁無き道徳』平凡社, 1927年
長谷川進訳『義務も制裁もなき道徳』岩波文庫, 1954年

目次

著者序文

 序論 責務を形而上学的に正当化するさまざまな試論の批判
  第一章 形而上学的独断論の道徳
   一、楽観主義的仮説、二、悲観主義的仮説、三、自然の無関心という仮説
  第二章
   一、実践的確実性の道徳、二、信仰の道徳、三、懐疑の道徳

 第一篇 科学的観点から見た道徳的動機について 義務の第一の諸等価物

  第一章 生の強度と行為の動機
  第二章 生の最高の強度[内包]は、必然的相関物として最大の延長[外延]をもつ
  第三章 行動の動機はいかなる限度において、一種の責務を生み出しうるか。力と義務[なしうるとなすべき]
  第四章 精神力学の観点からの責務の感情、衝動的もしくは抑圧的な力としての

 第二篇 道徳性を維持するための、義務の可能なる最後の諸等価物
  第一章 危険と闘争の快から引き出された、義務の第四の等価物
  第二章 形而上学的危険から引き出された、義務の第五の等価物: 仮説
   一、投機=思弁における形而上学的危険、二、行為における形而上学的危険

 第三篇 制裁の観念
  第一章 自然的制裁と道徳的制裁の批判
   一、自然的制裁、二、道徳的制裁と配分的正義
  第二章 社会における懲罰的もしくは防衛的正義の原理
  第三章 内的制裁と自責の念の批判
  第四章 宗教的で形而上学的な制裁の批判
   一、宗教的制裁、二、愛と同胞愛の制裁
   三、結論

1889 L'Art au point de vue sociologique
大西克礼訳『社会学より見たる芸術』内田老鶴圃, 1914年
井上勇訳『社会学的に見たる芸術』聚英閣, 1925年
北れい吉訳『社会学上より見たる芸術』潮文閣, 1928年
大西克礼, 小方庸正訳『社会学上より見たる芸術』全3冊, 岩波文庫, 1930年
西宮藤朝訳『社会学上より見たる芸術』春秋社, 1931年

第一部 原理
芸術の社会学的本質
第一章 社会連帯性ー最も複雑なる美的情緒の原理
 第一節 情緒の伝達と其の社会的性格
 第二節 美的情緒と其の社会的性格
 第三節 芸術と其の社会的性格
第二章 社会性の原力及び新しき社会的環境の創造力としての天才
 第一節 社会性の原力としての天才
 第二節 新しき社会環境の創造力としての天才
第三章 批判に於ける共感と社会性に就いて
第四章 芸術に於ける個人的及び社会的生活の表現
第五章 写実主義ー卑俗主義及び之を免るる方法
 第一節 理想主義と写実主義
 第二節 写実主義と卑俗主義の区別
 第三節 卑俗を免るる方法ー事件を過去の中に後退させる
 第四節 空間に於ける転置と環境の創設。自然の感情及び寄超
 第五節 自然の感情に対する聖書及び東洋の影響
 第六節 描写ー自然の共感的有情化

1889 Éducation et hérédité
稲毛詛風訳『遺伝か教育か』隆文館図書, 1918年
西宮藤朝訳『教育と遺伝--社会学的研究』東京堂書店, 1924年

1890 La genèse de l'idée de temps
井上勇訳『時間観念の創成』聚英閣, 1925年

1895 Pages choisies des grands écrivains
長谷川進訳『生の倫理』洛陽書院, 1940年

1913 大杉栄訳『道徳無義務無賞罰論』

自由 意力
freedom will
anarchy egoism
無計画
いいかげん

利己主義
自分勝手