-アクションプラン#15-  多摩美術大学の教育改革社会ニーズとキャリア教育 → 多摩美スタンダード

多摩美スタンダードの設定  ■ライアビリティ

多摩美術大学は広く造形芸術全般について高度な学理技能を教授研究し、国際社会に対応する幅広い教養を身につけた人格の形成を図り、現代社会に貢献する優れた芸術家、デザイナー並びに教育者研究者等を育成し、本学の卒業生が美術教養と造形表現力を兼ね備えることを保証する。

■美的創造力
創美術教育の要点は、学生の個性の尊重と、創造性の解放にある。
我々の創造性を疎外する内的な原因として、デッサン力がたりない、基礎知識がたりないなどがあるが、これらは個々の努力次第で解決することができる。絵を描く枚数がふえれば表現の技術は向上しますし、本をたくさん読めば知識は増える。
しかしながら、我々の創造力にブレーキをかけている最大の問題点は、我々の内部にある固定的な概念である。美術作品とはこういうものだ、デザインとはこういうものだ、大学とはこういうものだと決めつけてかかる、固定的な常識が、自由な発想にブレーキをかける。
多摩美術大学は「自由と意力」を標語に、新しい発想や価値を創造する課題追求心、対象やものごとを、直感的で全体的把握する能力を養う。

■美的表現力
新しい芸術は、新しい時代感覚や、若者独自の信念から生まれる。それらのイノベーティブな作品が、必ずしも社会に順調に受け入れられるわけではないが、美術の本分である豊かな表現力が発揮され、見る側の感性に受け入れられるならば、作品のメッセージは説得力を発揮して、現実社会を突き動かすこととなる。
美術教育の核となるのは、デッサン力や色彩感覚と構成力などの基礎的な表現力であり、自分の考えや心などを、形・色・材という造形言語でビジュアルに表現する基礎的技能は、創造の出発点である。
生活の美的創造感覚・能力の育成:平素の生活や環境を、美しく心豊かに創造するための美的なものづくりやデザイン能力の育成する。

■審美眼 美的感性
感性は、人間の人間たる象徴的資質であり、芸術は人類が生み出した最高の創造である。
価値や心情などを感じる力、よりよいものに感動し憧れ、それを大切な価値として求め続ける豊かな美意識を培う。観察を通した自然や命、色彩や形、構成の美しさなどへの感動・感受、鑑賞による美に対する豊かな心の教育は、困難であるので、基本的には入試選抜で方向つけられる。

■真善美の知識
社会が急激に変化していく中で、創造性に富んだ活力ある社会を築いていくためには、芸術文化がかつてなく重要なものとなる。社会の創造発展を図る芸術の機能や、社会での役割について理解する。
芸術文化を大切にする社会の構築のために、真善美の知識を養う。