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1863年ジュール・ヴェルヌ小説「20世紀のパリ」Paris au xxe sie`cle

1991年発見の未刊行草稿 ジュール・ベルヌ 35才   Jules-Verne

科学技術と金融が支配する1963年に、芸術は、何か離れ業でもしない限り、もはや生き残れない。今の世の中はもはや市場に過ぎない。だから、大道芸人がやるような茶番劇で世の中を楽しませてやらなきゃならない。
小説が述べる1963年には、詩の領域にも科学と機械が侵入し、現代詩集のタイトルは「詩的平行四辺形」「電気諧調」「空気観想」「脱炭素の歌」と云う有様である。
現実社会で高橋士郎が創作発表した1960's『立体機構シリーズ』1970's『電脳制御シリーズ』1980's『空気膜造形シリーズ』は、これらの詩集に対応する。
4番目の「脱炭素の歌」は1980年に始まる地球温暖化説と、地球規模で盛り上がる低炭素化社会または、硅素シリコンによる電子工学の大合唱を連想させる。

現実の1863 小説の1963年 現実の1963

1851 ナポレオン3世
1868 明治維新
1868ラーマ5世
[1868.net]

科学万能の未来都市パリ
若き詩人の悲劇


1963 Astro Boy

1968 明治100年


1865 暗殺
1862 ホームステッド
大草原の小さな家
第二帝政の金権主義
貴族→商人企業
商業資本→金融資本

第1章 教育論 教育金融総合会社

科学技術が世界を支配した高度産業社会,
そこでは経済とその裏づけとなる技術のみが幅を利かせ、
金融と機械が世の中を毒している

教育は実業家の利益になることで、教育は建築の一部門に過ぎない。

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1963 暗殺
1960 サハラ核実験
1961 上田カオス発見
1963 カオス

1858 スエズ運河会社
1858ロイター通信
1868 ファーブル叙勲
1872 学問のすすめ
1874 第一回印象派展

音楽や文学,絵画などの芸術はごくつぶし扱いを受けている。
19c末 高等師範学校が衰退
1962 文学講座が廃止
絵画は水彩面
デッサンは線図  
彫刻は石膏型
音楽は汽笛
文学は市場報告
人生は歯車や伝達装置の仕組みで説明される

1960 安保闘争
1968 パリ5月革命
1968 全共闘大学紛争

1936 チューリング


1853 パリ市街整備
1867 パリ万国博覧会
1889 エッフェル塔

第2章 都市論 帝国総合不動産会社

パリ市街の概観


1958 La De´fense
1962 霞ヶ関ビル
1965 新宿副都心


1861 空気管鉄道
1866 高架鉄道NY
モノレール

ウイリアム方式の空気による電磁気駆動の首都高架鉄道
1964 東海道新幹線
[1861アーク灯]
1857 放電管
1869電気モータ
1874 銀座ガス灯
1879 エジソン電灯
1890 水銀ランプ
ウエイ方式の
水銀の細い流れに帯電させる枝付き大燭台
1964 メタルハルライド


1861 内燃エンジン車
[AUTOMOBILE]
1894 ガソリン自動車

ルノワールのガス内燃エンジン車
音をたてない鋪装道路の上を静かに走る。
道路から道路へ架け渡された陸橋。
10時以降は荷馬車運搬車の通行を禁止。


1963 名神高速道路
1851 ロンドン万国博
1867鉄筋コンクリ
大ホテル群
二万人の宿泊客が贅沢に泊まっている
 


1856 キュプラ
[1860s fashion]

第3章 家庭生活 実利的な家族

パリ地下開発会社
住宅用動力源会社
索引機関車会社
合成タール営業所
金属糸織物の持ちのよい衣服
濃厚なスープ 馬のゆで肉
砂糖と硝酸カルシューム調理法の羊肉ハム
エクアドル原産の改良野菜


1935
ナイロン
1961 炭素繊維
1973遺伝子組換作物GMO

[1857 ボードレール]
悪の華 風紀紊乱罰
1867 ヴェルレーヌ
サテュルニアン詩集
デカダンスの教祖
1870 ランボー家出
地獄の季節
1876 マラルメ
半獣神の午後

第4章 文芸論 19世紀の作家たちと、消えた著書

科学・化学・機械が詩の領域に侵入
1.「詩的平行四辺形」
2.「空気観想」
3.「電気の諧調」
4.「脱炭素の頌歌」

店頭でのベストセラー書籍は
「摩擦理論全20巻」
「電気問題集成」
「駆動輪注油概論」
「新大脳癌の専門研究」




高橋士郎作品
1969 立体機構
1973 電脳制御
1977 空気膜造形

1963 東海村原子炉

(2007 低炭素社会)


1855 アリトモメートル
[] []

第5章 企業論 計算機と自動防犯金庫

1960 巨大なピアノに似た計算機械


(1883 シカゴ銀行)
(1890 ホレリス統計機)
1965 メインフレーム
1840 モールス信号
ウイ−トスト−ン
1960 宛先人と直接連絡ができる。 1969 アルパネット
1859 カッセルリ
パンテレグラフ
遠くの為替や契約書にサインすることができる。 fax
認証

1844 木材パルプ独
1851 パルプ英
1857 亜硫酸パルプ米

ワットとバージェスの製紙装置
12時間で木材から上質の紙をつくる
(1874 タイプライタ)
(1876 マイクロホン)
(1877 蓄音機)
  第6章 大会計簿  
 

第7章 人生論 3人の穀つぶし

人間の第一の務めは金を儲けることであるような世の中で、
芸術は、何か離れ業でもしない限り、もはや生き残れない。 異形彫刻論

(1882 第7回印象派)
(1916 ダダイズム)

コマーシャルソング
コピーライタ

  詩人志願ミシェル19歳  


ウイ−ン体制
1854 クリミヤ戦争
1861-5 南北戦争
1866 ウインチェスタ

1866 ダイナマイト

軍人憧憬ジャック25歳
海底炭坑総合会社
今の世の中はもはや市場に過ぎない。だから、大道芸人がやるような茶番劇で世の中を楽しませてやらなきゃならない。
金が動機で戦争に駆り立てられる軍隊は、もはや軍人の軍隊ではなくて、侵略者たちの軍隊となる。


(1914 WW1 西部戦線)
1960 ベトナム戦争
1990 湾岸戦争
1840 ティロリエ
炭酸ガス液化実験
1844 アルカン
作品27番 鉄道
1866 ミノワール
ピアノ家具
音楽家キャンゾナス30歳
「ラ・ティロリエンヌ
炭酸液化大幻想曲」
不協和音のテーマ
「直角三角形斜辺の二乗についての
短調による夢想」

(1885 エリス[音律]
(1894 ドビッシ)
1967 武満徹

ワーグナー:
未来音楽の基礎を作る
[1867マイスタージンガ]
[1874ワルキューレ]
ヴェルディ:音楽的雑音が19世紀の嗜好を撹拌
[1867ドンカルロ]
[1872アイーダ]

第8章 音楽論 新旧の音楽とその利用法

ワーグナーの影響で
メロディとハーモニがなくなる。
デッサンも色も使わないで絵を描くように。
肌着のバレーのおかげでオペラ座は流行る。(ドガ踊子)
オペラ歌手は馬のような声を出し。金切り声を上げて、わめき、どなっている。

  第9章 ユグナン叔父訪問  
  第10章 フランス文学概説  

1860 就航
1865 イ−スタン号
海底ケーブル敷設
1869 スエズ運河

第11章 グルネル港散歩

動く海上都市イ−スタン号


[1885太陽の塔]
(1888 エッフェル塔)
(1912 タイタニック)
(1914 パナマ運河)
1961 アポロ計画
  第12章 女性論  
  第13章 芸術家は容易に飢え死にする  

1894 ルミエール映画

第14章 演劇論 演劇専売公社

高級喜劇と風俗喜劇部門
伝統的な軽喜劇部門
純正ドラマ部門(詩劇現代劇)
歌劇と喜歌劇部門
諷刺喜劇、夢幻劇、公務劇部門
(悲劇は廃止)
史劇部門
(第四幕どんでんがえし
・ 花形長大台詞)
現代劇部門
(礼服劇・仕事着劇
・殺人毒殺・婦女暴行)
軽喜劇部門
(長大詞・警句詞・淫ら詞・語呂合わせ・機智言葉・即妙警句・支離滅裂話)
分担課と係(導入部・大団円・退場・人物登場・完全押韻・流動韻・公務員専門)


1963 NHK大河ドラマ
1957 一億総白痴化

合成染料
1856 モーヴ
1869 アリザリン
1880 インディゴ
1869 軍用マーガリン

第15章 悲惨

科学の力は、雷を屈服、距離を消滅、時間空間を意のままに、自然の測り知れない力を解明、洪水を阻み、大気を支配したが、大自然の寒気に対して、いかなる科学も無力だった。
調理食品500g単価
ジャガイモのチーズ
均質パテ 8
樫の実のパン 4
石炭から作ったパン 2
石炭元素から700有機物質

人工食品
コピー食品
合成食品
加工食品
健康食品

第16章 電気の悪魔

セ−ヌ河給水ダムの動力タービン
縞模様の空中電線 crosses
死体公示所の蘇生電気器具
ノートルダム祭壇の電気照明
聖体顕示台の電気照明
圧縮空気のパイプオルガン
電気駆動の大時計
大通りの無数の大燭台
透明広告板に電気光の文字
電気コンサート
処刑台の放電ショック用蓄電池


(1888 ゴッホ)
(1890 電気処刑NY)
(1906 Audion Tube)
(1909 バッラ)
(1914ロッソ)
1963 [ハード]

第17章 絶望 汝は塵なれば塵に帰るべきなり

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1863年「20世紀のパリ」
   ↓  
科学の力は、雷を屈服、距離を消滅、時間空間を意のままに、
自然の測り知れない力を解明、洪水を阻み、大気を支配したが、
大自然の寒気に対して、いかなる科学も無力だった。
1892年「カルパチアの城」 科学技術は忘れられ、オカルト伝説だけが伝承される。
1895年「動く人工島」 科学の驚異をもってしても、自然の美しさを再現できない。

脱炭素社会

ペール・ラシェーズ墓地 Cimetie`re du Pe`re-Lachaise [GoogleMap] RR

 [Old Paris in Photos] [La Carte Postale a` Paris]